「虐待するかも」と不安な親に伝えたいこと

「相談できる場所」を積極的に探そう

虐待のニュースを「ひとごとではない」と思う保護者は少なくないのです。頑張って頑張って子育てしていた、でもイライラしてつい言うことを聞かない子どもに当たってしまう。紙一重のところで、悩み苦しんでいるママやパパ、そして子どもがいるのも事実なのです。

虐待事件の加害者は近隣とのつながりが薄い傾向

今回の結愛ちゃんのケースは、引っ越ししたばかりでした。今回に限らず、虐待が起こったときによく指摘されるのが、近隣との関係が希薄であるということです。

厚生労働省の「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」という報告書(※厚生労働省 平成29年 第13次報告)によると、心中やそれ以外の虐待死事例で、地域社会との接触が「ほとんど無い」「乏しい」傾向が強いのがわかります。

また、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが2018年2月に発表した「子どもに対するしつけのための体罰等の意識・実態調査結果報告書」でも、次のように報告されています。

“「イライラする」「孤独を感じる」「両立が難しい」「引きこもる」の4項目それぞれにおいて「日常的にある」「時々ある」を選択した回答者の、子どもをたたいた経験を分析した(グラフ参照)。その結果、4項目いずれにおいても、過去に子どもをたたいたことが「日常的に」「時々」「1~2回」あったと回答した人は約8割にのぼった。特に、「イライラする」については、子どもを叩くことが「時々あった」と 回答する傾向が強くみられた。”
「子どもに対するしつけのための体罰等の意識・実態調査結果報告書」より

全体平均の「子どもをたたいたことがある」の数値は約7割ですから、「イライラする」「孤独を感じる」「両立が難しい」「引きこもる」傾向がある場合、より子どもをたたいてしまう傾向が強くなると読み取ることができるでしょう。

怒りは、身内に対してより大きくなり、爆発する傾向があります。近ごろは「ワンオペ育児」「密室育児」といった言葉も生まれているようですが、養育者がひとりで閉じこもり、育児を抱えこむことでストレスがたまり、そのはけ口が子どもに向かってしまう危険性が高いのです。

ですから、子育て世帯は特に、社会から孤立しない・させないことが大切です。育児をしている人は、赤ちゃんの泣き声を漏らさないように窓を閉めて引きこもるのではなく、できるだけ外に散歩に出掛けたり、近くの子育てひろばなどに出向いて支援者と話をしてみるよう努めましょう。

このほかにも、相談できる機関はたくさんあります。パソコンやスマートフォンで「育児 相談」と検索してみれば、自治体や地域の子ども家庭支援センター、子育てひろば、保育園など、相談に乗ってくれる機関がたくさん見つかるでしょう。小さく生まれた子、多胎児など、さまざまな共通項を持つ子育てサークルなどもあり、こういった場所で人と話すだけで心が軽くなることもあります。

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