遅れたみずほとのデータ共有、オリコに温度差

どうなる、みずほ。週刊東洋経済緊急ルポ<3>

  「金融庁が問題にしているのはみずほのガバナンスだ」

みずほ銀行の不祥事が明るみに出た当初、オリエントコーポレーション(以下、オリコ)の幹部はこのように発言していた。みずほが金融庁検査やマスコミ向けの対応を誤り、そのあおりをオリコが食っている、というわけだ。

10月30日、齋藤雅之社長は、「多大な迷惑をかけた」と陳謝した。しかし、「(みずほと銀行との提携ローン)8000億円のうち、問題債権は2億 円にすぎない」との声もあり、オリコの当事者意識は薄い。その一因は、暴力団などの反社の排除で努力してきたのに、事実と違った非難を受けている、という 思いがあるためだろう。

取引解除の難しさ

オリコは自社の反社データを拡充し、入り口審査を強化してきた。反社融資を即刻解除しなかったという批判が強いが、ここにも誤解がある。融資実行後の審査(事後審査)で反社と認定しても、既存契約を解除することは難しい。これは法律実務家の常識だ。

みずほとの提携ローンで、反社を契約解除の理由にできる暴力団排除条項(暴排条項)の適用が始まったのは、11年3月以降だ。それ以前は同条項がな かったため、契約を解除するのが極めて難しかった。ただし、暴排条項を適用したところで、必ずしも契約の解除が容易にできるとは言い切れない。

契約解除をめぐって裁判で争えば、反社だという立証が求められる。警察データから明確な暴力団の証拠があれば強いが、その確率は低い。さまざまな反社の類型、いわば境界線ともいえるグレーな顧客属性の契約が含まれることが多くあるからだ。

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