「動かない上司」が変わるのを待つのは無駄だ 自分の得意技で成長するほうが幸せである

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したがって「彼らから学ぶ」という前提をそもそも捨てて、自ら学ぶというスタンスに切り替えざるをえません。

実は私自身もキャリアをスタートしたのがベンチャー企業2社であったため、当然のことながら教育制度もなく、教えてくれる人もいない、そういった状況でした。

2社ともに上司はいたのですが、よく言えば放任主義、悪く言えば何もしない方たちでしたので、自ら学ぶという前提でずっとやってきたわけです。

業務にかかわることは自分で資格取得やセミナー参加を通じて勉強して、仕事でアウトプットする、会社業務でかかわる外部の専門家(私のケースではコンサル、投資銀行や監査法人の方たち)とのやり取りや共同の仕事を通じて技を盗む、そういったやり方で学んできました。

社内においても、自分の直属の上司でなくとも、たとえばエクセルの得意な人、資料作成の得意な人、プレゼンの得意な人、英語のやり取りの得意な人、そういった各分野のエキスパートを自分で探し、それぞれの分野についてそれらのエキスパートから学び、彼らを超えることで成長を図っていきました。

「できる上司」じゃないから利く自由がある

ほかにも方法はいろいろとあるのでしょうが、直属の上司が放任主義だったりできない人だからこそ、そういった創意工夫を持って、もっと言うと自分の得意な方法、自分に合ったやり方、自分のペースで成長することができるのだと思います。

反対に、ものすごいできる上司の下についた人は一見非常に恵まれているように思われますが、実は上司がすべてやってしまう、その一方であまり教えてくれない、といったことも大いにありうるわけですし、上司のやり方をコピーすることを過度に強いられることだってあるのです。

仕事のできる人こそ、自分のやり方がすべて、という思い込みをしているケースが多いのはご存じのとおりです。

もちろんそのようにやり方を示してくれたほうがいいという方もいるかとは思いますが、Kさんの場合はそういったことは望めませんから、ここは自分に合った成長の方法を探し、自ら学ぶことを前提とするべきです。

会社規模も100人程度ということですから、上記の私のようなやり方も可能でしょうし、Kさんが会社や会社における仕事のやり方に変革を起こせる可能性だってあるわけです。

動かない上司を待つのではなく、上司を動かすリーダーシップを発揮することで、もっと上の経営層の目に留まる可能性だってあるでしょう。

何事もそうですが、置かれた環境が変わることを待っても何も変わりません。

自ら周りの環境を変えるという気概を持って行動することで初めて環境が変わる可能性が生まれるのです。

上司が悪い、環境が悪いことを言い訳に何も行動を起こさなければ何も変わりませんが、そういった環境にもかかわらず行動し、挑戦した実績はきっと自分の中でよい経験となるはずです。

そういったリアルな学びを通じてKさんが今の環境に変革を起こし、大きく成長されることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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