東急社長が語る田園都市線混雑解消の「秘策」

沿線の人口はさらに増えていきそうだが…

──ホームの数を増やすというハード面の対策で、どのような効果があるのですか。

渋谷駅はホームが混雑し乗客の乗り降りに50秒程度かかっている。そのため後続電車が駅の手前で待たなくてはならず、列車が遅延する。これが輸送量の減少につながっている。ホームの数を増やせば、二つの番線から交互に発着できるようになり列車の本数を増やせる。

──検討は始まっているのですか。

もちろん。だが、当社だけでできる話ではない。地域と協力して進めることが必要だし、多額の費用もかかるのですべて自前ではできない。国の制度を活用することも考えなくてはならない。場合によっては、お客様に費用の一部をご負担いただく可能性もゼロではない。民意を形成するというプロセスはこれからだ。

田園都市線(東京メトロ半蔵門線)渋谷駅のホームは1面2線しかないが、プラットホームを増設して東横線(東京メトロ副都心線)渋谷駅のように2面4線化(あるいは2面3線化)できれば渋谷駅の乗降時間が短縮でき、その分だけ運行本数を増やすことができる。しかし、そもそもプラットホームを増設できる余地があるかどうか、周辺の地下の状況を調査する必要がある。

新型車両でも混雑率を引き下げていく

──今春から導入が始まった新型車両「2020系」も混雑緩和に貢献しそうですか。

東急が今春から導入を進める新型車両「2020系」(撮影:大澤 誠)

座席配置の工夫などで、旧型車両と比べ1編成あたりの定員を55人増やせる。今後5年くらいかけて新型車両に入れ替えていくので、混雑率を数パーセント程度だが引き下げることができる。

──今年の冬から大井町線で平日夜の座席指定サービスを開始しますが、その狙いは?

一つは、純粋に夜は座って帰りたいというニーズに応えるために着席サービスが必要だという点。もう一つは、混雑緩和策として田園都市線から大井町線に利用者を誘導する試みを続けているが、帰宅時に座って帰れる列車があるということが大井町線に乗ってもらう動機付けの一つになり得るという点だ。

──最近は新宿と渋谷の両方で使える京王電鉄の新型定期券「どっちーも」のように複数ルートで使える定期券が増えていますが、東急線でも行きと帰りでルートを使い分けは混雑緩和策になるのでは?

当然、検討メニューの中には入っている。

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