スベるコンテンツに絶対足りない3つの基本 制約は当然、やらされ感でなく大義を持とう

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また、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『キューブ(CUBE)』『ソウ(SAW)』といった名作映画がありますが、これらも予算という制約があったからこそ、生まれたヒットコンテンツだと言われています。

コンテンツづくりを始める際、与えられた「予算」「時間」「サイズ」という制約に不満をもつのではなく、その制約の中でベストを尽くすことが、企画者にとって重要なことなのです。

コンテンツをつくるのは、人の「想い」

当たり前の話ですが、コンテンツは人がつくります。しかし、ビジネスシーンにおいて、これが忘れ去られてしまうことはよくあります。企画の発端は、ある1人の妄想のようなビジョンから始まります。その妄想を見える形に具現化していくのが、コンテンツづくりです。そのためには大きなエネルギーが必要ですし、それを可能とするのはコンテンツに「想い」を込める企画者の存在です。

ところがビジネスの場において、こうした「想い」は邪魔なものだとみなされてしまったり、会社の都合で担当者がコロコロと変わってしまうことがあります。断言しますが、「想い」のないコンテンツは決して当たりません。

企業がつくるコンテンツがうまくいかず、スベってしまうのは、こうした「想い」を軽視してしまうことも原因にあるのかもしれません。

また、ビジネスとしてのコンテンツづくりには、たくさんの人が関わりますので、さまざまな意見が入ってきます。そんなとき、どの意見を取り入れてどれを却下するか、判断するのも企画者の仕事です。「想い」も「こだわり」もなく、何でもかんでも受け入れてしまえば、「船頭多くして船山に登る」という言葉があるように、気がつけば目的とまったく違うものが出来上がってしまいます。

『人がうごくコンテンツのつくり方』(クロスメディア・パブリッシング)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

こうした「誰がつくっているのかわからない」状態に陥ってしまうのも、コンテンツが失敗する典型的なケースです。コンテンツの目的に沿って、さまざまな意見の取捨選択をする判断軸となるのも、企画者の「想い」なのです。

損得や面倒を顧みず、自分のコンテンツを我が子のように大切にし、仕事以外の場でもコンテンツのことばかり考えてしまう。企画者の「想い」は、コンテンツづくりの資金を出す経営者や出資者にとっても、ありがたい存在のはずです。

「目的」「制約」「想い」の3つです。「どうやったらウケるコンテンツになるか」と頭を悩ませる前に、まずはこういった基本をしっかり押さえることが、コンテンツづくりで大事なことなのです。

高瀬 敦也 コンテンツプロデューサー

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たかせ あつや / Atsuya Takase

株式会社ジェネレートワン代表取締役CEO。1998年フジテレビ入社、営業局にてスポットセールスプランニングに従事。その後、編成制作局にて「逃走中」「戦闘中」「Numer0n(ヌメロン)」など企画性の高い番組を多数企画。「逃走中」「戦闘中」ではニンテンドー3DSのゲームもプロデュースし、シリーズ累計100万本を超えるセールスを達成。「Numer0n」ではアプリ化を前提とした企画としてゲーム内容からデザインし、スマートフォンアプリは350万ダウンロードを記録。また、DJ活動も行い、自身もソロアルバム(CD)を全国リリース。フジテレビを退社した現在、さまざまな業種の新事業企画、新商品企画、広告プロモーション戦略立案など、幅広いコンテンツプロデュース・コンサルティングを行っている。

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