安倍首相が直面する「健康不安」という爆弾

総裁選の勝利は確実だが…

石原氏は衆議院議員11人、参議院議員1人の石原派を率いており、事実上のオーナーの山崎拓元副総裁は青木氏と近く、石破派の勉強会でも憲法改正について講演したことがある。

中谷氏が代表世話人を務める有隣会はまだ総裁選での態度を表明していないうえ、石破氏は同じ「防衛大臣経験者」として期待を抱いているようだ。また岸田氏は安倍支持を表明しているが、岸田派のオーナーの古賀誠元幹事長は安倍首相に批判的だ。総裁選投票日まであと2カ月足らずで石破氏がどのくらい食い込めるのか、それが石破氏の「次」にかかってくるだろう。

最も深刻なのは「健康問題」か

外ではとりあえずは安泰の安倍首相だが、最も深刻なのは内部の敵かもしれない。体調がいまいちよくない様子なのだ。

西日本で発生した記録的な豪雨の真っ最中の7月7日、午前の関係閣僚会議を終えた後に安倍首相は私邸に戻り、8日も非常災害対策本部会議に出席したほか、アメリカのマイク・ポンぺオ国務長官と韓国の康京和外相の表敬を受けた後にそそくさと私邸に向かった。このときの安倍首相の顔色の悪さが話題になっている。7月31日には定例の閣議を見送りにし、私邸で午前に北村滋内閣情報官から報告を受け、夕方に麻生太郎財務相と会食しているが、ほぼ完全休養で、夏季休暇に入る前としては珍しい。

気になるのは、8月1日に大学病院で歯の治療を受けている点である。安倍首相の持病である潰瘍性大腸炎が悪化した際に投薬されるステロイド剤の副作用に「易感染性」というのがあって、とりわけ細菌の多い口腔内はその環境が悪化しやすいらしい。

あるベテラン記者は「安倍首相の体調は歯科医に通う回数を見ればわかる」と言う。振り返れば、安倍首相は2014年には南米訪問から帰国した直後、9日間で国会内の歯科や地元山口県内の歯科など4度も診察を受けたし、2013年4月にはモスクワでプーチン大統領と会談した際、歯痛でやむをえず現地の歯科医師の治療を受け、高額な請求書に驚愕したことを本人が披露したこともある。

政治家の健康状態はその政治生命を左右しかねない。すでに総裁選で勝った後の「花道論」もささやかれ始めている。爆弾を抱えながらの3選目はある意味で安倍首相にとって政治家として集大成の期間といえる。はたして安倍首相はどのような自分を歴史に刻もうとするのだろうのか。それを占ううえで、次期総裁選は見逃せない。

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