トヨタがこだわり続ける「燃料電池車」の未来 「100年後に人類が生き残るための技術」

拡大
縮小
 7月26日、トヨタ自動車が2020年代の燃料電池車(FCV)量産に向けて投資を拡大している。写真は、世界初の量産車「MIRAI(ミライ)」の組立工場。愛知県豊田市で5月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 26日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>が2020年代の燃料電池車(FCV)量産に向けて投資を拡大している。他社が電気自動車(EV)にかじを切る中、収益性の見えないFCV開発にトヨタがこだわるのは「100年後に人類が生き残るための技術」との思いがある。

26年以降はFCVの展開車種を大幅に増やし、世界初の量産車「MIRAI(ミライ)」との部品共有化を進め、課題の一つである車両価格を引き下げる。

SUVや商用車でFCVを本格展開

複数の関係者によると、トヨタは20年代前半までには2代目ミライのほか、25年前後からFCVのスポーツ多目的車(SUV)を投入する予定。部品各社はすでに3代目ミライの準備にも入っている。26年以降は中型セダン、商用車などでもFCVを本格展開する計画だ。14年に発売した初代ミライは700万円台と高級車並みの価格だが、2代目では燃料電池(FC)システムのコストを半減し、大幅な価格引き下げを狙う。

ミライ開発責任者の田中義和氏は現在、1)限定生産から本格的な量産に移行、2)白金(水素・酸素の化学反応を促す触媒)など高価な材料の使用量を減らす、3)システムの小型・ハイパワー化を進める──という3つの施策を徹底することで「コスト低減は実現できる」と強調する。

次ページ量産に向けてコスト削減へ
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT