トヨタがこだわり続ける「燃料電池車」の未来 「100年後に人類が生き残るための技術」
[東京 26日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>が2020年代の燃料電池車(FCV)量産に向けて投資を拡大している。他社が電気自動車(EV)にかじを切る中、収益性の見えないFCV開発にトヨタがこだわるのは「100年後に人類が生き残るための技術」との思いがある。
26年以降はFCVの展開車種を大幅に増やし、世界初の量産車「MIRAI(ミライ)」との部品共有化を進め、課題の一つである車両価格を引き下げる。
SUVや商用車でFCVを本格展開
複数の関係者によると、トヨタは20年代前半までには2代目ミライのほか、25年前後からFCVのスポーツ多目的車(SUV)を投入する予定。部品各社はすでに3代目ミライの準備にも入っている。26年以降は中型セダン、商用車などでもFCVを本格展開する計画だ。14年に発売した初代ミライは700万円台と高級車並みの価格だが、2代目では燃料電池(FC)システムのコストを半減し、大幅な価格引き下げを狙う。
ミライ開発責任者の田中義和氏は現在、1)限定生産から本格的な量産に移行、2)白金(水素・酸素の化学反応を促す触媒)など高価な材料の使用量を減らす、3)システムの小型・ハイパワー化を進める──という3つの施策を徹底することで「コスト低減は実現できる」と強調する。