トヨタとセブン「FCトラック」で手を組む理由 「究極のエコカー」は大型車から普及する

拡大
縮小
セブン-イレブンで利用されている、トヨタ製の燃料電池トラック(画像:トヨタ)
前回前々回と中国と米国で燃料電池バス・トラック量産化が始まったのをお伝えした『日本の国家戦略「水素エネルギー」で飛躍するビジネス』の著者、西脇文男氏が、今回は日本の状況をレポートする。

2020東京五輪でFCバス100台が活躍

世界初の量産型燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」を市場に送り出したトヨタは、燃料電池バス(FCバス)でも世界の先陣を切った。昨年2月のことだ。

『日本の国家戦略「水素エネルギー」で飛躍するビジネス』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

最初の2台は東京都交通局に納入され、東京駅丸の内南口と東京ビッグサイト間を結ぶ路線バスとして運行されている。今年3月には、FCバスとして初めて型式認証を取得した、量販型「SORA」の販売を開始した。

FCバスは2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京だけで100台以上の導入が見込まれている。路線バスとして運行するほか、大会期間中は、選手村と競技場間の輸送手段や観光バスとしても活躍する。来日する選手、役員、報道陣、一般観光客に「水素社会」を実感してもらうとともに、日本の水素技術を世界に向けて発信するのが狙いだ。

「SORA」は「MIRAI」と同じ114kWの燃料電池を2基(MIRAIは1基)、700気圧の高圧水素タンクを10本(同2本)搭載。また大容量外部電源供給システムを備えており、災害などの停電時に避難所などへ電力を供給することが可能だ。

次ページSORAの販売価格はどのくらいか
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT