りそな公的資金返済で浮上する再編の観測

りそな公的資金返済で浮上する再編の観測

約3兆円の公的資金を注入されたりそなホールディングス。公的資金返済の出口が見え始めるとともに、りそなを軸にした金融再編の観測も浮上している。(『週刊東洋経済』6月30日号より)

りそなホールディングスが入居する東京・大手町のビル。りそなの普通株の引き受け手はどこか。さらなる金融再編の焦点になってきた 約2兆3000億円の公的資金を抱えるりそなホールディングス。公的資金返済後をめぐって、その周辺が騒がしくなってきた。

2003年に経営破綻したりそなは、注入された約3兆1000億円の公的資金のうち、これまで7500億円を返済。07年3月末で9000億円余りある内部留保のさらなる積み上げと優先株の発行で、今後3年程度での公的資金返済の財源確保を計画している。しかし、優先株や国が保有する普通株の引受先によっては、新たな金融再編の台風の目となりうる。

そうした見方が出ているのは、りそなが4月に発行を決めた総額3500億円の転換型優先株が注目されるからだ。野村証券やゴールドマン・サックス証券など、国内外6社から受けた提案のうち、メリルリンチ日本証券の提案が採用され、私募形式で全額メリルリンチが引き受けた。

プリンシパル(自己資金)投資部門に力を入れているメリルリンチは03年、旧UFJ銀行が設立した不良債権処理会社に対し、1200億円の優先株出資を行った実績がある。今回はそれを上回り、メリルリンチにとって日本での過去最大級の投資となる。これがメリルリンチを核とする金融再編の観測を呼んだ。

ただし、これが銀行と証券の垣根を越えた大型の資本提携に結びつくかというと必ずしもそうではない。今回発行した転換型優先株の最大の特徴は、既発行株式の希薄化を避けるため、株式への転換を抑制する特別な条項があることだ。株式の取得請求権の行使に条件があるうえ、株式に転換する場合も一部は現金での交付となり、メリルリンチがそのまますべて普通株式を取得できるわけではない。

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