副業解禁時代「ライター」で稼ぐという生き方 子育てや家事と両立、会社勤めでもできる

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その一方で、どれほど魅力的な案件でも、家庭の事情で泣く泣く断らざるを得ないことも。「海外出張など、1週間以上外出しなければならない依頼は、まずお受けできないのが今の悩みです」と井上さんは言います。

また、子育てには何かとイレギュラーなことが付き物。話を聞いたこの日の朝も、ちょっとしたアクシデントに見舞われていました。

「実は今朝、子どもがインフルエンザにかかってしまい、急きょ学校を休ませて病院へ連れて行ったところなんです(苦笑)。今日は幸い、妻が付き添っていられる日だったので事なきを得ましたが、子どもに関してはこちらでコントロールできないトラブルが意外と多いので、その都度夫婦で協力し合いながら臨機応変に対応しています」

時には、昼も夜もなく仕事に打ち込める専業ライターをうらやましく思うこともあると語る井上さんですが、子育てを楽しめるのも今のうちだけ、との思いもあるようです。

「これから子どもが成長するにつれて、子育てにかかる負担や労力はどんどん減っていきます。何より、家族の存在がライターとしての原動力になっている面もある。これからますます学費もかかりますし、子どもたちの将来のために、今後はライター業をもっともっと頑張っていきたいですね」

日本一周の旅がライター活動のきっかけに

一方、「お見合い相手をクラウドファンディングで募集する」という、なんともユニークな取り組みで注目を浴びたのは、ライターのたけべともこさん。2年前の2016年、この話題はハッピーないきさつとともにネット上で大きく拡散されたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

ユニークな着想と178センチの長身を武器に活躍するたけべともこさん。クラウドファンディングでのお見合い相手募集は、海外でも話題に(写真:news Hack by Yahoo!ニュース)

そんなたけべさんは現在、国内最大級のクラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」の広報担当という顔を持つ傍ら、副業(複業)でライター活動を継続しています。

「大学卒業後、一度は小売業に就いたのですが、2年で辞めて47都道府県をめぐる旅に出ました。3カ月かけて全国を回り、各地での旅路をSNS上でレポートするうちに反響が大きくなっていき、結果的にライターの仕事につながるさまざまな出会いやご縁を得ました」

日本を一周しながらつづったSNS投稿が、あるメディアの担当者の目に留まり、ライター活動をスタートしたたけべさん。CAMPFIREを使った“お見合いクラウドファンディング”のアイデアも、仕事を通してインターネットの活用を模索していく過程で思いついたものだったそう。さらには、これがCAMPFIRE入社のきっかけになったのです。同社は副業や子連れ出勤など個人に合わせた働き方を推奨しており、ライターの仕事を続けながらの会社員生活が始まりました。

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