退職後の「不健康な孤独」を避ける4つの方法 孤立を深めないようにする生き方はある

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③ボランティア活動をする

ボランティア活動に参加する人は、より長生きで、身体の不自由度も低く、幸福度が高いことが、米政府のボランティア振興機関(CNCS)のデータ分析で分かっている。

中でも驚くべき事実がある。ボランティア活動は、収入や教育、婚姻状態などの要素よりも、幸福感に大きく影響しているのだ。

ボランティア活動に参加することで、あなたが大変な状況に置かれたときに支えてくれる新しいつながりもできる。多くの高齢者はこのことを直感的に知っている様子で、CNCSによると、米国の高齢者2100万人以上が、毎年合計33億時間のボランティア活動に従事している。

経済的な被害に遭わないためには?

④味方を増やそう

退職者は、社会的な孤立が原因で、経済的な被害に遭いやすい。詐欺に遭ったり、だまされたり付け込まれたりすることによる被害額は、年間365億ドル(約4兆円)に上ると、退職者を主な顧客としている金融サービス会社トゥルー・リンク・ファイナンシャルの研究は指摘している。こうした被害の大半は、届出がされていないという。

悲しいことに、経済的被害の9割は、家族など信頼される立場の人によるものだと、非営利団体ナショナル・アダルト・プロテクティブ・サービシズ協会は分析している。

他人に好きなようにされる事態を防ぐための最善策は、自分の味方を増やすことだ。教会の友人や子ども時代の友人、親戚やボランティア活動の仲間など、あなたを気にかけてくれる人がいれば、被害に遭う可能性は減る。

「私はいつも、(銀行の取引記録などの)金融関係の書類の写しが、誰か信頼する人の所にも送られるよう手配しておくことを勧めている」と、ウィスコンシン州ハドソンのフィナンシャル・プランナーのブレット・アンダーソン氏は言う。

(Chris Taylor 翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)

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