4代目ジムニーの「四角さ」が何とも潔い理由 硬派な内外装でヘビーユーザーに応えた

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

といっても新型ジムニーのスタイリングは、単なる四角四面ではない。フロントグリル両脇のウインカーは初代、エンジンフード脇のルーバー風プレスは2代目を思わせる。ハスラーやイグニスにも見られる、過去の名車のエッセンスを取り入れたスズキらしさの表現も欠かしていない。

新型はフロントグリルとバンパーの下端を斜めにカット(筆者撮影)

加えて筆者は、フロントグリルや前後バンパーの下端を斜めにカットした造形が、無味乾燥となりがちな箱型ボディに動きを与えていると感じた。しかもグリルの形状は初代に似ているし、バンパーは悪路で地面への接触を回避するという機能的効果もある。考え抜かれたカタチだ。

インテリアもまた先祖返り

インテリアもまた先祖返りしている。先代のインパネが、柔らかいラインを基調とし、大きなセンターパネルを据えた、乗用車的なテイストだったのに対し、新型はシンプルな横長のインパネに四角いメーターやディスプレイを置いた。2代目を思わせる造形だ。

2代目の雰囲気を継承したインパネ(筆者撮影)

エアコンのコントローラーはダイヤル、その下のスイッチはピアノタイプと、確実な操作系を用いている点にも好感を抱いた。揺れの激しいオフロードではタッチ式パネルは扱えないことがわかっているからだろう。

驚いたのは先代の途中でボタン操作に変えていた2WDと4WDの切り替えが、レバーに戻っていたことだ。

扱いやすいスイッチと切り替えレバー(筆者撮影)

最近のSUVは、砂利や泥道など路面状況に合った走行モードを選べば、電子制御で最適な駆動力を発揮してくれる方式が主流になりつつある。しかしジムニーのヘビーユーザーはオフロードに精通した人が多く、ドライバー自らが路面を読み、最適なメカニズムを選択することで走破していくというテクニックを身につけている人が多い。

こうしたヘビーユーザーには電気式のボタンやダイヤルより、より確実に操作できて耐久性の高い機械式のレバーが適していると考えたのだろう。ハスラーやクロスビーなどが加わったスズキ内でSUVの役割分担ができた結果のひとつと見ることもできる。

残念なのは横開きリアゲートのヒンジを覆う、あとから追加したような黒いプラスティックのカバーだ。ヒンジは塗装が剥がれやすく錆びやすいことに配慮したためだろう。もちろんカバーしているパーツを塗装すれば問題は解決する。

次ページジムニーシエラの人気が高い
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事