“大きさ”以外にも欠点、逆風の新国立競技場

神宮外苑は風致地区。槇文彦氏が再考を訴える

壮大すぎるスペック

メインスタジアムは東京が目指した「コンパクト五輪」の象徴的な施設である。現在の国立競技場を取り壊した後、施設を大幅に拡充して建設する予定で、観客席は5万4000席から8万席に増え、開閉式の屋根を取り付けた全天候型スタジアムとなる。延べ床面積は現状の5.6倍の29万平方メートル。スポーツ関連の商業施設、博物館、地下駐車場などを備えた複合施設が現出する。

自然の美観が重視される風致地区、神宮外苑にこの巨大施設を建設することには素人目で見てもかなり違和感がある。文部科学省所管の日本スポーツ振興センター(JSC)は昨年、「いちばんをつくろう」というコンセプトの下、国際コンペを実施。選ばれたのは、イラク出身の国際建築家、ザハ・ハディド氏によるデザイン。流線型の斬新な外観は「スポーツの躍動感を思わせる」と評価された。

「ザハさんのCGを見て最初に思ったのは、美しい、醜いということではなく、なんと大きいのかということ。17日間の祭典中は確かに観客を喜ばせるだろうが、施設は祭典が終わった後も、50年、100年とずっと存在するわけで、それを国民や都民が世話しなければならない。そのコスト負担を計算しているとは思えない」

ただしコンペが行われたのは、東京で五輪ができるかどうかは五里霧中のときだ。有力候補地の一つではあったものの、2016年大会と同様、落選する可能性も高かった。

「世界最大級の施設を造って五輪誘致を有利にしたい、との雰囲気があったのではないか。建築の素人であるIOC(国際オリンピック委員会)委員たちにアピールするにはよい施設だろうが、本当に建設するとなると話は別だ」

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