日経平均株価は急反落、一時500円超安  中国株下落などを嫌気し全面安の展開に

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 7月2日、東京株式市場で日経平均は急反落。心理的節目の2万2000円を下回り、4月13日以来、2カ月半ぶりの安値水準で取引を終えた。寄り前発表の6月日銀短観で景況感が5年半ぶりに2四半期連続で悪化したことが、投資家心理を冷やした。写真は東京証券取引所で2015年7月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 2日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は急反落。心理的節目の2万2000円を下回り、4月13日以来、2カ月半ぶりの安値水準で取引を終えた。寄り前発表の6月日銀短観で景況感が5年半ぶりに2四半期連続で悪化したことが、投資家心理を冷やした。中国株が軟調な中、先物売りで後場に崩れる展開となり、下げ幅は一時500円を超えた。東証1部銘柄の92%が値下がりする全面安商状となった。

TOPIX終値も1700ポイントを割り込み、3月26日以来の安値水準を付けた。東証33業種全てが値下がりする中、ゴム製品や小売、食料品、陸運など内需の一角の下げが目立った。東証1部の売買代金は2兆3000億円弱。値動きの大きさと比べると現物株の商いは低調だった。

日銀短観で大企業・全産業の2018年度の設備投資計画が市場予想を上回ったことで、朝方は精密機器、機械セクターを物色する動きが広がり、日経平均はプラスに転じる場面があったが、買いは続かなかった。米中貿易摩擦の懸念がくすぶる中、中国の上海総合指数<.SSEC>が2%を超す下げとなり、相場の重しとなった。

日経平均ボラティリティー指数<.JNIV>は一時23ポイント台まで上昇。ザラ場ベースでは4月3日以来の高水準を付けた。

大和証券・シニアストラテジストの石黒英之氏は「中国景気の先行きに対する警戒感を反映した動きになった」と指摘。「米国の貿易政策と世界景気の先行きという不透明要因が横たわる中、市場の不安に乗じてCTA(商品投資顧問業者)型ヘッジファンドが景気減速を見込んだポジションを組んできている可能性がある」とみる。

個別銘柄ではアダストリア<2685.T>が大幅安。同社が29日発表した2018年3─5月期の連結業績は純利益が前年同期比95%減となり、大幅減益を嫌気した売りが優勢となった。夏物商品の販売低迷などが響いた。

半面、会社更生手続き開始の申し立てを決議した日本海洋掘削<1606.T>がストップ高比例配分。支援企業に日本郵船<9101.T>が有力候補として浮上したとの一部報道が材料視された。「現経営陣が残った方が再建にプラスとの判断でDIP型会社更生手続きになれば、抜本的な『外科手術』が必要な事態とは比較的なりにくく、100%減資を無理にしなくてもいいとの合意を得られる可能性もある」(大手証券)との声が出ていた。

東証1部の騰落数は、値上がり131銘柄に対し、値下がりが1935銘柄、変わらずが28銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     21811.93 -492.58

寄り付き   22233.80

安値/高値  21784.48─22312.25

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1695.29-35.60

寄り付き     1725.55

安値/高値    1694.02─1730.03

 

東証出来高(万株) 137285

東証売買代金(億円) 22992.61

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