そして最後に、「ハゲ薄毛の男性に対する印象」について自由にコメントする欄を設けたところ、次のような、女性からの率直な意見やアイディアが並びました。
・変に隠すほうが変。個性としてオシャレな短髪にすれば気にならないし不快ではない。気にして隠す人は服装の清潔感などもない気がする。
・ハゲ薄毛で、清潔感がなく脂ぎっている人はどうしてもだめです。アンケートでは、恋愛対象にも結婚対象にもならない、と回答しましたが、スキンヘッドなら対象にすると思います。変にハゲ薄毛を隠そうとする髪形より、スキンヘッドのほうが潔さ、清潔感を感じます。
・日本人は自己、周囲ともにハゲを卑下し過ぎだと思います。似合っていれば(清潔感があれば)ハゲは何の恥でもないと思うし、自分が気にするほど周囲も気にしないと思う。一部のハゲの人達がカツラやバーコードスタイルなど変にハゲを隠そうとするから余計に世間から嘲笑の対象となり、ハゲを恥だと思う気持ちが増大するのかと思います。
など大変勇気づけられる言葉が並ぶ一方、こんな厳しい意見もありました。
・ 友人であれば、自分は全然気にしませんというスタンスですが、いざ恋愛一歩手前になった時に、薄毛やハゲでやめたことが2度ありました。頭では理解していても本能が拒否する「本音と建前」なんだと思いました。
・ 年寄りに見える。顔がカッコよくてもブサイクにみえる。バーコードが一番許せない。
・隠すなら分からないように隠す、隠さないなら堂々としてほしい。中途半端なスタイルだけは対応に困るので避けて頂けると幸いです。
このように、多くの女性は「清潔感のないハゲ薄毛は受け付けられない」、あるいは「変に隠すのはおかしい」としながらも、「スキンヘッドなら許せる」「薄毛であってもオシャレであれば容認できる」と思っていることが分かります。
もちろん、出会ったタイミングではハゲ薄毛でないほうが良いという意見もありますし、薄毛だから恋愛関係に進むことを踏みとどまったという声もあります。
ハゲ薄毛に対する認識が男性と女性では「非対称」
この女性たちのアンケート結果と声からいえることは、薄毛を隠している、あるいは隠していると取られかねない見た目や仕草をしている男性が好かれることはまずない、ということです。
隠している「外見」自体が不潔に見える、また隠している「行動」が自信なさそうに見えるということで、女性たちは、外見と内面の両方を評価しているからだろうと思われます。
薄毛に悩み始める男性の多くは、髪が失われることで「モテなくなるのでは……」という恐怖を感じるかもしれません。その恐怖のあまり、反射的に隠す・増やすという行動をとってしまい、余計に女性達からの好感度が下がってしまう――そんな負のスパイラルが起きやすいのは、女性が男性の薄毛に対して持つ認識と、男性が男性の薄毛に対して持つ認識が「非対称」であるからと言えそうです。
もちろん、4分の1の女性が、ハゲ薄毛男性をアレルギー的に受け付けないと回答していましたが、このようにハゲ薄毛男性をなんてことないと抵抗なく受け容れることのできる女性のほうが、多数派であることを知っておいて損はありません。
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まつもと けいじ / Keiji Matsumoto
1973年生まれ。神戸市出身。慶応義塾大学環境情報学部(SFC)卒業、神戸大学大学院経営学研究科専門職大学院課程修了(MBA)。大学卒業後、日系メーカー3社で勤務。その後、自身が経験した、ハゲ薄毛の悩みを解決する方法を探すため、神戸大学MBAプログラムにて「ハゲ」をはじめとした「恥」をいかにしてビジネスにするかについてアカデミックに研究。研究成果は学内にて最優秀賞を獲得。薄毛を隠す・増やす手段以外で解決することを目的とした事業案で森永製菓主催のビジネスプランコンテストに入賞したことをきっかけに2016年8月、株式会社カルヴォを設立。
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