私大への助成金で歪められる日本の教育現場 18歳人口の大幅な減少に耐えられるのか
②日本大学……91億5481万円
③慶応大学……90億3456万円
④東海大学……62億8399万円
⑤立命館大学……60億1353万円
国立大学などの「運営費交付金」を見てみると、国立大学法人(4研究機関含む90法人)でざっと1兆0970億円(2017年度予算額、以下同)になる。そのベスト5を見ると次のようになる(同)。
②京都大学……543億円
③東北大学……463億円
④大阪大学……441億円
⑤九州大学……409億円
5校合計で2680億円に達する。
私学助成金そのものは、このところ継続して一定の伸び率にとどまっており、今では大学の経費に対する補助割合は全体で10%程度に留まっている。かつては3割近かったのだが、いまや大学の収入の1割が補助金という状態になっている。
ちなみに特別補助も、近年は減少傾向にあり、財政面でのやりくりに苦慮している日本を象徴していると言っていい。特別補助の交付というのは、いくつか条件があって「成長力強化に貢献する質の高い教育」「社会人の組織的な受け入れ」「大学等の国際交流の基礎整備」「経営強化等支援」などの項目に対して交付される。
経営のトップが出てこない背景には…
一連の日大アメフト部の問題において、当該選手だけでなく監督やコーチ、学長までが会見を開いたが、最後まで会見に姿を見せていないのは日大の田中英壽理事長だ。学校をビジネスと考えれば、経営のトップ=理事長が出てこないのは、やはり違和感がある。
その背景には巨額の助成金=補助金があるように思えてならない。確かに、日大の危機管理のなさは目立ったが、その一方で90億円を超える私学助成金を受け取っている日大としては、そうそう軽々しく自分の非を認めるわけにはいかない事情がありそうだ。
たとえば、私学助成金を受け取るには一定の条件がある。「法令違反等」や「財政状況」によっては補助金甲府が打ち切りになる、あるいは減額されるケースがあるからだ。こうした背景をメディアがきちんと伝えたかどうかはやや疑問が残る。
たとえば、学校法人の財産の不正使用や財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書といった公文書への虚偽記載などが対象になるのだが、次のようなケースでも補助金の打ち切りや減額があるとされている。
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