山田ルイ53世が、負けの中に見出した「勝機」 大きく勝って、大きく負けた一発屋芸人たち
いや、それでいいのだ、きっと。考えてみれば人生は負けることのほうが多い。ならば派手な負け方を経験した“一発屋芸人”たちの生き方から、ぼくたちは多くのことを学べるのではないだろうか。仕事だったり、子育てだったり、介護だったり。いろんなものを背負いながら、懸命に頑張っている人にこそ、本書の言葉は届くはずだ。
みんな、人生いろいろ
トークショーの前に、会場となった有隣堂「STORY STORY」の店内を見て回った。雑貨と本が一体になった心地いい空間である。文庫の棚をみると、『うらおもて人生録』が一冊だけあるではないか。
ふと、おせっかいな気持ちが湧いてきた。
(トークショーが終わったら、山田ルイ53世にプレゼントしよう)
彼ならこの本を気に入ってくれるのではないか。そう思ったのだ。
会場からは威勢の良い「ルネッサーンス!」と「フォー!」が聞えてくる。
「ニコール・キッドマン、イコール、コッペパン」
ジョイマンの脱力系ラップに思わずぷっと吹き出してしまう。
(いいなぁ、みんな。人生いろいろ大変だけど、お互い頑張ろうよ)
我に返ると、店員さんに「カバーの色はどれになさいますか?」と訊かれていた。
見ると10種類のカラフルな色が並んでいる。
「これでお願いします!」
ぼくは迷わず、梅雨の晴れ間のような鮮やかなライトブルーを指差した。
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