「はしか感染」を防ぐために今からやれること 日頃の予防が肝心だが今やれる対策もある
はしかにかかった後は体の免疫力も全体的に低くなるので、ほかの病気にもかかりやすい状態になっているという。
「はしかが治ってからも免疫力がストンと落ちた状態が続き、回復には1カ月程度かかることもあります。いわば、はしかという強力な病気に対して自分の力を使い切ってしまうのです。以前ははしかから、治りかけた子どもが結核を発症したり、その後に風邪をこじらせて具合が悪くなったりする、というようなことがよくありました」(岡部所長)
はしかウイルスと闘った体の免疫が回復するには、それなりの時間がかかることを覚えておきたい。しばらく無理は禁物だ。
はしかウイルスが脳を侵す病気に注意
完全に治ったと思っていたはしかが原因で、寝たきりとなり死に至るケースもある。
亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる病気は、はしかのウイルスが何らかの理由でその後も脳に潜み続け、何年も経て脳に炎症を起こす。
はしかが治って元気に過ごしていた子どもが、その5~10年後、異常な行動やけいれん、やがて意識障害などに発展する。しかし、有効な治療方法は今もない。
SSPEははしか患者数万人に1人程度と発症数は少ないが、少し前まで日本では年に5~10人程度の発症があった。発症すると、100%死に至るという恐ろしい病である。
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