30代中国人ツアーガイドのヤバすぎるモラル

観光客に対する洗脳やウソは日常茶飯事

「不対!(ブドゥイ!)」

ノー、間違っているという意味だ。いや、そんなはずはないのだが、張さんは何か勘違いしているのだろうか。

困った顔をしてポツンとたたずんでいる母親が気の毒に思い、私はもう一度彼女のもとへ近づき、「その行き方で合ってますよ」と教えてあげた。なんなら明日、一緒に案内してあげたら喜ぶだろうなと一瞬思ったが、それはさすがに面倒なのでやめた。

どうして「不対」と答えたのかと不思議に思い、外の喫煙所でたばこをくわえていた張さんに話しかけると、予想もしない答えが返ってきた。

「わざわざ教えてあげなくてもいいんですよ。電車使ってもこっち何も得しないですから。うまーく誘導させないといけないんです。カーシェアで車出せる友達がいるので、その人に頼めばウチの儲けになるでしょ」

わざと「不対」と答えたのは、そういうわけだったのか。しかもカーシェアで友達が運転するということは、完全に白タク行為。もう何でもアリらしい。

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張さんによると、こうした爆買いツアーは飛行機とホテル代込みでわずか4000元(約6万円)程度で発売されるとのこと。ホテルは4泊分だから、請け負った時点では完全に赤字。それを免税店で爆買いさせることによって、どうにか帳尻を合わせているのだという。

「リスクあるから、日本の会社はやらないんですよ」

中国人の爆買いツアーは、中間層の海外旅行ブームによる過当競争が生んだ時代のあだ花ということか。最近では、割高な免税店を嫌う旅行客が増え、ツアー自体が大幅に減少しているという。

「また違うこと考えなきゃ。これからは医療ツーリズムに力を入れようと思っています」

清濁併せのみながら、同胞相手にしたたかにカネを稼ぐ張さんを見ていると、日本の観光業界がちょっとふがいなく思えてしまった。

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