共同開発車がヒット。日産と三菱の深まる連携 日産・三菱提携の本気度

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日産の生産システムを三菱・水島工場に導入

生産面の協業にも大きく踏み込んでいる。その中核といえるのが、日産の合理化活動を、生産拠点となる三菱の水島工場(岡山県倉敷市)に応用することだ。

11年春から日産の追浜工場(横浜市)と水島工場を比較した生産性の分析に着手。生産部門担当者が双方の工場を訪問し合って調査した。その結果、水島の生産台数当たりの作業人員数が、追浜より1割ほど多いことがわかったという。

水島は小型車や軽自動車を中心に年産能力約60万台を有する三菱の主力工場。日産の笠間功・新工場準備部主管は「水島は古い工場ながら、旧式の自動機械もうまく使いこなして投資コストを抑えていた」と視察当時を振り返る。だが、販売不振から稼働率が大幅に落ちていたこともあって、生産性が低下していた。

提携事業では、追浜対比で約10%のコストダウン達成を目標にすることで合意、生産システムの見直しに取り組んだ。改善投資費用は原則として日産、三菱がそれぞれの販売台数に応じて負担する仕組みとした。

効率化を図るため、追浜を参考に導入を進めた改善策の一つが、組み立て工程での部品キット供給だ。

従来、水島では部品棚をライン脇に置き、作業者はそこから必要な部品を選んで組み付ける方式を基本としていた。これに対しキット供給では、作業者の受け持つ工程で必要な部品一式を選別場でキット化しておき、それを無人搬送車(AGV)で送り届ける。AGVへの投資やキットを作る工程が新たに発生するが、部品を選ぶ作業がなくなるため、作業速度が上がりミスも減る。

「TdC」という、物流も含めた全体での部品調達コスト削減を図る日産流の手法も導入した。あらゆる部品について、素材から工場への納品に至るまでのモノの動きを表した「道のり表」を作成、部品のコストに含まれる物流費を可視化し、これを基に地理的に調達先を見直してコストダウンするという手法だ。

部品調達先そのものの見直しも行った。従来の三菱系の部品会社だけでなく、日産がルノーとグローバルに構築した調達網からの調達も検討対象に加えたのだ。

実際に日産系に切り替えた部品は一部にとどまったが、日産系の部品価格がベンチマークとなり、調達価格の引き下げにつながった。

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