老築マンションのタイルが引き起こす大問題

剥がれ落ちれば「凶器」になるリスクがある

国土交通省は2008年、外壁タイルの打診検査を義務化した(写真:Yp111 / PIXTA)

街を歩いてみると、日本のマンションの外壁の多くはタイル貼りになっていることに気づく。コンクリートを風雨に直接さらさないといった耐久性の観点から、そして何より美観に優れるため、採用されることが多い。しかし、「貼った」ものは時間の経過により、いつか剥がれ落ちる運命にある。

高所から落下してきたタイルに当たったら…

マンションやビルのタイルが高いところから道路に落下すれば、もはやそれは「凶器」だろう。そして、いま日本のあちこちで、マンションのタイルが落ち始めている。事例には枚挙にいとまがない。

2016年8月、東京都三鷹市にあるビルの外壁から、台風の強風でタイルが剥がれ落ち、ビル付近を歩いていた男性に直撃してケガをした。このマンションでは、事故の約4時間前に、縦2m・横3mの外壁が剥がれ落ち、撤去作業を行ったばかりだった。

また、2016年7月には、大阪市の9階建てビルで、6階付近の外壁からタイルが縦1m、横2mにわたり落下し、信号待ちをしていた女性の頭に当たった。女性は病院に運ばれたが幸い軽傷であった。

筆者が経営するさくら事務所には、連日、マンションの管理組合からタイル剥落に関する相談が舞い込んでくる。都内にある築2年のマンションでは、6階付近からタイルが落下した。幸いケガ人はいなかったが、ほかにも明らかにタイルが浮いているところがあるということで、急きょ足場を組んでタイルの打診調査を行ったところ、全タイルのなんと20%以上が、いつ剥がれてもおかしくない状態であった。この状況は即座に売主業者に報告され、業者の負担で修復された。

横浜市のとあるマンションでは、11年目になって一部のタイルが剥落。こちらも幸いケガ人はなかったが、5階付近から落ちたタイルが人に当たれば負傷は免れない。すぐさま外壁全体の打診調査を行ったところ、全体の15%程度のタイルに浮きが見られた。管理組合は施工不良だとして売主業者に補修を要請したが、業者は「施工不良ではなく経年によるもの」として応じず、いまだ協議中だ。そのままでは危険なため、管理組合負担で浮いたタイルはすべて剥がし、新しいタイルを張り直した。

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