戦略特区で法人税20%、狙いは海外からの投資 対日投資倍増へ動き出した政府
[東京 15日 ロイター] - 政府は、2020年までに海外勢による対日投資倍増という目標達成に向け、本格的な政策展開に乗り出した。
外資系企業の対日進出にとってネックとなってきたコストを引き下げるため、国家戦略特区における法人税率20%への引き下げが検討対象に上っているほか、きょう15日に召集された臨時国会では、国家戦略特区の根拠法案や、その他の企業誘致に関連した規制緩和を盛り込んだ法案も審議される見通しだ。ただ、医療・介護、雇用、農業などの分野では、依然として「岩盤規制」と表現される規制が残っており、対日投資の飛躍的な増加には、政府による一段の規制緩和実行が必要だとの声が各方面から出ている。
先進国で最低の海外勢の直接投資
安倍晋三政権は、日本経済の潜在成長力を引き上げるための成長戦略として、新興国などへの対外進出による成長取り込みと、国内の立地競争力強化による対日投資の呼び込みを国際展開の両輪と位置付けている。
中でも、対日直接投資に関しては、現在の約18兆円から2020年に35兆円へと倍増させる目標を掲げている。日本における海外勢の直接投資額は、国内総生産(GDP)全体のわずか3.7%と先進国の中で最低水準にある。
「この国の持続的な成長を国内企業だけに求めることは、バランスにかける」と長谷川閑史・経済同友会代表幹事が指摘したように、少子高齢化や生産拠点の海外流出が継続する中で、日本の成長戦略に置行けて海外勢の対日直接投資は欠かせない要素との認識が強まりつつある。