東京都民銀・八千代銀が統合に踏み出すワケ 都内では最大の地銀に。全国地銀のランキングでは何位?

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八千代銀行の酒井頭取は、経営統合の検討に入った理由の一つとして、「大きな変革は、余裕のある中でやるというのがわれわれの考え方。経営状態が安定しているこの時期であれば、役職員や取引先、株主の方にも賛同を得られると確信した」と述べていた。

以前、首都圏のある大手地銀の頭取は、業界再編に対する考えについて、「銀行が一つになるのは、大きなエネルギーがいる。今後、合併がないとはいえないが、そうしたエネルギーを使うほうがいいのか、それとも地域経済の改善のために使ったほうがいいのか。選択肢はいろいろある」と中立的だった。

また、前出の頭取は「金融機関が一緒になる場合、何が合併するのかといえば、それは企業の文化だ」とも述べていた。そうした意味では、業務協力を通して互いを知る間柄から経営統合に発展した今回のケースは、”例外”なのかもしれない。

リーマンショック後は業績悪化から地銀の中でも再編機運が高まった。だが、今回のように、経営にも余裕があるうちに、さらなる事業基盤の強化を推し進めるという決断は、業界の新たな動きとしてほかの地銀を触発する可能性が十分ありそうだ。

井下 健悟 東洋経済 記者

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いのした けんご / Kengo Inoshita

食品、自動車、通信、電力、金融業界の業界担当、東洋経済オンライン編集部、週刊東洋経済編集部などを経て、2023年4月より東洋経済オンライン編集長。

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