「GINZA SIX」が開業2年目で迎える正念場

オープンから1年未満で撤退するテナントも

「商業施設としては30点だな」。前出とはまた別の百貨店関係者は、開業当初からギンザ シックスの店舗構造を厳しく見ていた。

まず、エスカレーターの配置場所に難があるため、顧客がスムーズにほかのフロアに移動できない箇所がある。「エスカレーターの位置は商業施設にとって大事だが、ギンザ シックスは不便に感じる。これが今後の集客面でボディブローのように効いてくるだろう」(あるコンサルタント)。

催事やイベントを展開しづらい

大理石やカーペットを使用するテナントもあるなど高級な雰囲気を演出する仕掛けは、話題づくりには一役買っても、逆に顧客が店内に入りにくい一因にもなっている。各店舗がハコで覆うような独立した店構えになっていることも、百貨店のように商業施設全体で一体感を出すような催事やイベントを展開しづらい原因になっている。

Jフロントの山本良一社長はギンザ シックスの2年目の売上高目標を明言しなかった(撮影:梅谷秀司)

また、外国人客が多いことも今後の懸念材料として残る。現在、ギンザ シックスの免税売上比率は約30%と高い。近隣の松屋銀座店も外国人客は多いが、それでも免税売上比率は20〜25%程度にとどまる。

外国人客の消費は移ろいやすいという特徴がある。2016年に中国政府が個人輸入商品の関税を引き上げたことで、中国人の日本での消費が大幅に減ったことは記憶に新しい。開業効果が薄れ、外国人客を思うように集客できなかった場合、相次いでテナントが撤退するケースも想定される。

決算説明会の席上、Jフロントの山本社長は「1つのブームのような部分もあった」と、ギンザ シックスの開業1年目を振り返った。2年目の売上高目標については、「数値が確定していない」と明言しなかった。

ただ、同社のある幹部は「2年目ということもあり、数字は堅めに見ている。1年目よりも売り上げは落ちるかもしれない」と、慎重な見通しであることを明かす。さまざまな懸念材料を押しのけて、安定操業を保つことができるか。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 近代日本を創造したリアリスト 大久保利通の正体
  • 夢を諦めない「脱会社員の選択」
  • 忘れえぬ「食い物の恨み」の話
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT