ヘッジファンドは、5月に勝負に出てくる? 株の乱高下を演出しているAIに惑わされるな
前回3月26日の「逃げる外国人、日本株はどこで下げ止まるか」では、「意外に元気な日本の個人投資家」の取材報告をした。基本が逆張りの個人投資家は、現在の建玉は評価損になっているが、待機資金は十分で、「下げたらまた買う」感じだ。
ただ、余裕の個人投資家に対して、CTA(商品投資顧問業者)等ヘッジファンドの一部には、かなり崖っぷち状態のものもあると聞く。今は、個人投資家同様、ファンド筋も動いていない(だから出来高は低迷している)。しかし、同じ「動いていない」でも、個人投資家の余裕と違い、CTAファンドは「動けない」のだ。
彼らは、2月、3月の急落で相当なダメージを受けた。本来なら4月で取り返すところだが、方向感のはっきりしない4月は勝負に行けないのだ。もし4月もやられたら暫く立ち直れなくなるからだ。方向感のはっきりした場合の5月以降に勝負をかけて来ると思われる。
今は、小型株でトレンドの出ているものだけをチマチマとトレードしているようだが、2018年度の増益確保が見えてくれば、再びポジションを整えて来ると思われる。彼らにとっては「FANG」に代表される米国のハイテク株の値崩れも大きなリスクで、勝負に出られない理由の1つだが、その点、今週、上下両院での2日間に渡るフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)の証言は、非常に大きな注目といってよい。
日経平均の割安放置状態はいずれ修正へ
それにしても、日経平均株価は予想PER(株価収益率)でいえば12倍台が続いている。今年に入り2月13日に転落して以来、数日は13倍台に戻ったものの、3月1日から再び12倍台に落ち、先週末では「26営業日連続」となっている。
アベノミクス相場でのPER12倍台は、いわゆる「投げ局面」で、2016年2月12日、同6月24日(この日1286円安)などに出ているが、両者とも1万5000円を割れていた。この時の予想EPS(1株利益)はそれぞれ1152円、1184円だった。現在は1700円である。確かに2018年度の最終利益については、一部に減益予想もあるが、経常利益ベースでは、増益を確保できるのではないか。いつまでも12倍台を続けるのは合理的ではない。
今週もはっきりしない展開が続きそうだが、2月本決算企業の決算発表は佳境に入り、3月本決算企業の動向もそろそろ見えて来る。日経平均株価は、ひとまず、25日、200日各移動平均線のある2万1300円~2万1400円台の攻防戦か。今週の日経平均予想レンジは2万1000円―2万1800円としたい。
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