ついに日本上陸!中国「EV電池」の忍び寄る影 パナソニックを抜いた超新星「CATL」の正体
「車載電池の国際学会に大勢の若いエンジニアが出席しており、その熱気に圧倒された」「幹部と話したところ、『いずれ日系のEV(電気自動車)にもうちの電池が採用されるだろう』と自信たっぷりに言われた」
最近、日本の自動車業界関係者の中でよく話題にのぼるのが、中国のEV用電池メーカー、寧徳時代新能源科技股(CATL:Contemporary Amperex Technology)だ。中国福建省に本社を構えるCATLは、2011年設立とまだ若いが、出身母体は現地の小型家電用バッテリー会社ATLで、米アップル向けにiPhone用電池の生産を請け負った実績もある。
「自動車大国」の座を奪取すべく、国策としてEV(電気自動車)のマーケット拡大を推し進める中国。完成車のみならず、その性能を左右する車載用リチウムイオン電池の開発、生産にも、多くの補助金が投入されている。そうしたバックアップのもと、CATLもむくむくと頭角を現わし始めた。
日産のおひざ元に日本オフィスを開設へ
そんなCATLが、本格的に日本で事業を始める。同社は2017年11月に日本法人を開設。今年5月には現在の仮のオフィスから拠点を移し、日系自動車メーカー各社の幹部も招き、開所式を行う予定だ。
新たな拠点となるのが、日系自動車メーカーの中でもいち早くEVに注力してきた日産自動車のおひざ元、横浜ランドマークタワーだ。日産はこれまでNECと合弁で立ち上げたバッテリー事業の子会社、オートモーティブエナジーサプライ(AESC)から電池を調達していたが、2017年に中国系ファンドへ売却し、電池を外部調達する方針に転換した。今後発売される中国現地車で新たに採用されるのが、CATLの電池だ。すでに日産の仕様に適した車載電池の開発・製造を発注済みだという。
電池を供給するのは日産だけに留まらない。CATLとは、中国現地車向けの電池調達をめぐってホンダも接触しており、トヨタ自動車も検討しているようだ。