価格競争が止まらない「ソーセージ」の経済学

好調プリマ「香薫」に大手各社が安売りで対抗

全国のスーパーマーケットにおける各社主力ブランドの平均販売単価の推移(調査会社True Dataの集計)を見ると、高価格帯にある2商品、特に「アルトバイエルン」の値下がりが目立つ。2年前には2袋400円程度だったのが、最近は360円を割ってきている。高価格帯の商品は「香薫」など中価格帯の商品よりも内容量が多いため、グラム単価が店や日によって逆転する現象も起きている。

一方、2袋200円台後半の中価格帯商品のうち、「香薫」や「燻製屋」の価格は比較的安定しているが、2017年2月に日本ハムが発売した「豊潤あらびきウインナー」(90g×2)は値下がりが顕著だ。

商品の価格は基本的にスーパーなどの小売り側が決める。ただ、メーカー側は一定期間の仕入れ実績に比例したリベート(販売奨励金)や、仕入れ条件を満たした際の達成リベート、あるいは特売の協賛金などを小売り側に支払うことで値引き原資を提供している。つまり、店頭価格にはリベートなどを通じてメーカー側の価格戦略が間接的に反映されることが多い。

プリマハム「香薫」の躍進

日本ハム、伊藤ハムの安値攻勢は、とりわけ近年シェアを急拡大したプリマハムの「香薫」を意識したものだ。

各ブランドの1店当たり売上金額の推移を見ると「シャウエッセン」の1位は揺るがないが、「アルトバイエルン」と「香薫」が2位争いで抜きつ抜かれつの大接戦を演じているのがわかる。売上点数ベースでは完全に「香薫」が2位の座を確立している。伊藤ハムは値下げを駆使して何とかシェア挽回を図っている格好だ。

日本ハムの「豊潤」は、「香薫」の対抗商品として価格帯を合わせて投入されたが、いま一つ伸びに欠ける。当初、社内で心配された「シャウエッセン」とのカニバリゼーション(売り上げの奪い合い)はほぼ杞憂だったものの、「香薫」に対抗するという本来の目標にはまだ遠い状況。そのため、価格面で刺激してブランド認知度向上を図っているように思われる。

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