定年後、最高の人生を送るための4Kとは何か

「40代」「50代」の人は今からすぐに始めたい

しかし、本当に定年後は「退職金+再雇用+年金」で大丈夫だろうか。厚生労働省が発表した2016年の簡易生命表によると、現在の平均寿命は男性で80.98歳、女性で87.14歳。今は80歳以前にお迎えが来る人は、むしろ少数派だ。

これから、定年後の人生は短く見積もっても20年。「人生100年」と考えると40年もある。そう考えれば、いかに「細々と暮らす」といっても、年金のみの収入では不安になるだろう。

前出のように、実際に高齢者無職世帯の家計は赤字だ。終身雇用制が事実上崩壊し、少子高齢化が進む現在、40~50代は今の高齢者より退職金も年金も少なくなる可能性が高い。「老後は年金があればなんとか食いつなげるだろう」という考えでは早々に貯蓄が底を尽き、「老後難民」まっしぐらになりかねない。

老後の不安は、おカネがあるだけでは消せない

しかも、実はおカネが多少あっても、老後の不安は消えないのだ。英国など他の先進国の事例でもわかるように、老後の不安要素としておカネと並んで多いのが、孤独だ。たとえ年金も退職金も必要ないほど潤沢な蓄えがあったとしても、それだけで幸せな老後が約束されるわけではない。実際に第一線を退いた60代の2人に話を聞こう。

Cさん(60代女性)「夫は現役時代、自他共に認める仕事人間だったのですが、定年を境に人が変わったように無気力になりました。一日中何もせずにボーっとしていて、口を開けば文句ばかり。家庭の空気も悪くなるばかりです」

Dさん(60代男性)「仕事を辞めて時間的にゆとりが出たはずが、かえって体調が悪くなりました。出社時間や『平日』『休日』というメリハリがないためか、生活のリズムが崩れてしまったことが一因かもしれません。気分もすぐれず、新しいことに挑戦しようという気持ちにはなかなかなれません」

もちろん、CさんやDさんのような人ばかりではなく、仕事や趣味に、あるいはその双方で、60歳以前だったときよりも輝いている人も多いはずだ。では、「幸せな老後」の定義とは、いったい何なのだろうか。ファイナンシャル・プランナーの高伊茂氏によると、幸せな老後への近道は「4K」を満たすことなのだという。「4K」?もちろん、「きつい」「苦しい」……のことではない。

高伊氏の指摘する4Kとは何か? 「一般的に大事だとされるおカネ(経済)、からだ(健康)、こころ(生きがい)に加えて、私は家族(パートナー、仲間なども含む)も幸せな老後に欠かせないものだと考えています。この4つを合わせて“4K”としているのです」

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