ローソン、生鮮品「スマホ予約」を始める事情 取り扱い品目500種類、商品は店頭で受け取り

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2017年4月にアマゾンは食料品配達サービス「Amazonフレッシュ」を開始した(撮影:尾形文繁)

生鮮品での宅配にはさまざまな企業が相次いで参入している。2017年4月にはアマゾンが食料品配達サービス「Amazonフレッシュ」を首都圏の一部で開始。同11月にはセブン&アイ・ホールディングスとアスクルが共同で「IYフレッシュ」と銘打った生鮮ECを東京の新宿区、文京区で始めた。今年に入ってからは、楽天がウォルマート傘下の西友と提携してネットスーパーを展開すると発表した。

ローソンも日本郵便やヤマト運輸などが配送を担う形で、2014年から食品、日用品、医薬品を最短で翌日に配送するネットスーパーを展開していた。競合が手掛けるようなECサービスがあるにもかかわらず、なぜローソンは新たな取り組みを始めようとしているのか。

現場負担の抑制が課題

答えの1つが「待ち時間の解消」だ。アマゾンは2時間刻み、IYフレッシュは1時間刻みで配達時間を指定し、自宅で配達を待つ必要がある。ローソンのネットスーパーも同様だ。

ローソンの竹増貞信社長は「配達を待つストレスを解消できる」と強調した(記者撮影)

今回始めるロピックは、好きな時間にコンビニの店頭で商品を受け取れることが差別化要素となっている。「スーパーなどでの買い回りや、配達を待つといったストレスを解消し、(再配達費用など)物流の追加コストも抑制できる」(竹増社長)。

ただ競合のネット勢は数千アイテム以上を扱う中で、ローソンのロピックは品目数で劣る。また、ロピックのアプリは名前など数項目の情報登録で注文できるが、未決済のまま店舗に商品が届くため、翌日21時までに受取りがなかった場合は自動的にキャンセルとなる。この場合、本部が商品を引き取ることになり、廃棄ロスの負担が増える可能性もある。

店舗を運営する加盟店にとっては、生鮮品を注文した客が受け取りに来るたびに冷蔵庫まで商品を取りに行き、会計するという作業が発生する。竹増社長は「通常オペレーションの範囲内で済み、店舗の負荷は最小限に抑えている」と話すが、現場の業務量が増えることも懸念される。現場負担を抑制しながら、生鮮品の店頭受け取りを軌道に乗せることができるか。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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