5年間も無登録で「投資助言」続けた巧妙手口 「四季報」や「日経」を騙りボロ儲け

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こららのサイトの多くは「無登録営業だ」と関東財務局から指摘を受けると直ちに閉鎖した。ただ、31のサイトのうち「株式市場オンライン」「株式ジャーナル」「マーケットEX」「VIPインベスターズ」「株ステーション」「マーケットスタートピックス」「急騰株式プロジェクト」の7サイトは、無登録営業の指摘を受けず、閉鎖せずに残っていた(2017年11月現在)。

監視委員会によれば、JG-company、Master、S&Fの3社の従業員は「実績のある投資家」を装って顧客と面談。虚偽や誇張した投資助言の実績を説明。複数の顧客に同一銘柄の買いを推奨することで株価を急騰させ、それを投資助言の実績として他の顧客に説明していた。

申し立てまでなぜ5年もかかったのか

JG-company、Master、S&Fの3社は、投資顧問契約(1契約あたり数万〜数百万円の投資顧問料を支払い、数カ月〜数年の銘柄情報の提供を受ける契約)を締結した顧客に、個別銘柄の買いを推奨するとともに、FX取引の自動売買ソフトを販売。実在しない海外のFX取引業者「FXNoah証券」を紹介していた。

「FXNoah証券を介して取引をしたい」という約1100人の顧客からFX取引用の金銭を預かり、別の海外FX取引業者に送金。この業者から顧客紹介の見返りとして、顧客の取引量に応じた手数料計約3200万円をJGなど3社は受領していた。

最初のサイト立ち上げから今回の禁止・停止申し立てまで5年近くかかったことについて、監視委員会は「関東財務局からの警告を受けてもなかなか従わない無登録業者が多い中、彼らは警告を受けるとサイトをすぐ閉鎖していた。サイト名や社名を変えて無登録営業を繰り返す背後にJGなど3社がいるという事実が見えてこなかった」と本件の調査が難しかったことを訴える。

今回の申し立てはあくまでも無登録営業の禁止である。個別株の売買やFX取引で個人がどれだけの損を被ったのかなどの実態解明はなされていない。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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