パナソニックが社外で「新規事業」を作るワケ

合弁会社トップには春田真DeNA前会長

パナソニックアプライアンス社・社長の本間哲朗氏(筆者撮影)

大企業のイノベーションプロジェクトとしては、過去に例のない手法だが、パナソニックとスクラムベンチャーズの間で調整を進めてきたのは、元Evernote日本法人会長で、自身もシリコンバレーでの起業を経験したことがある外村仁氏だ。

スクラムベンチャーズのアドバイザーを務めてきた外村氏は「ここ数年シリコンバレーで、開発リソース、生産ノウハウもないスタートアップが、斬新なハードやサービスをタイムリーに出し、成長しているのを目の当たりし、なぜ日本からそうしたベンチャーが生まれないのか悔しい思いをしていた。日本の大企業には優れたアイデアや技術がたくさんある。起業から製品化まで、新たな事業の立ち上げ経験が豊富なわれわれがサポートすることで問題解決を図りたかった」と話す。

ソニーのSAPとの違いは?

大手電機メーカーの社内ベンチャー育成システムとしてはソニーのSeed Acceleration Program(SAP)が、きちんと最終製品にまで落とし込めている例として知られているが、“SONY”ロゴを付けて発売するソニー製品の事業化プロジェクトであるのに対して、BeeEdgeはパナソニック内部にあるアイデアや人材を活用し、従来の商品ラインにはない商品をパナソニックの外に生み出していく仕組みだ。SAPと比較すると、より小さな規模から始められるだろう。

春田氏、宮田氏は「これまでの制約がなくなり、パナソニックの技術リソース、支援を得ながらスタートアップを始められる。可能なかぎり早く最初の事例を生み出していくことを目指しているので、これまで何度提案しても通らなかった提案も出してほしい」と呼びかける。

アプライアンス社・社長の本間氏は「4月には最初のプロジェクトに出資、来年には製品化事例を作れる」と、すでに事業化プロジェクトが進んでいることを示唆。これまでにないスピードでの事業立ち上げが見込まれる。

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