ゴルフ「PGAツアー」知られざる生き残り戦略 副社長が語る日本ゴルフ界との連携の狙い

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東京・虎ノ門のPGA TOUR アジア支社オフィスで取材に応じたヴォータウ氏(筆者撮影)

ヴォータウ氏は1999年から2005年まで米国LPGA(女子ゴルフ)ツアーのコミッショナー、2006年からPGA TOURに転じている。現在IGF(国際ゴルフ連盟)の副会長でもあり、オリンピックのゴルフ競技にも関わっている。

PGA TOURの中で、ヴォータウ氏の役割は、米国以外の地域での、メディア、企業のスポンサーシップ、ライセンスおよび、その他の収入の流れを含む、すべてのビジネスラインにわたってツアーの国際戦略のすべてを統括する役割を担っているとのことである。

PGA TOURというと賞金総額やツアーで活躍する選手が話題となるが、その組織として事業規模をヴォータウ氏に確認してみた。年間売上は10億ドル(約1100億円)でスタッフ数は750名とのことである。その売上のベースとなるのは世界200カ国以上で放映されているツアーの放映権料、ツアースポンサーからの収入、トーナメント収入から成り立っており、毎年3~5%伸長しているという。

JGTOとの提携については、「JGTOと良い関係であったが、提携してからさらに交互に情報交換が緊密になって、双方にメリットが出てきた。JGTOが成功することはPGA TOURが成功することに繋がる。JGTOが強い組織になって良い選手を育成し、PGA TOURで活躍するようになれば、注目され、スポンサー企業やツアー中継への関心も高まり、ウィンウィンの関係の構築ができる。PGA TOURとしてできることは何でもしたい」と前向きな答えであった。

日本企業とPGA TOURの関係性は深い

推察するに、ゴルフでは世界で2番目大きい日本市場の価値を認めて、また日本の経済力を支える企業が、PGA TOURの価値を認め、スポンサー企業となることも期待しているのではないか。テレビ放映権料について、当然金額は明かさないが、日本でPGA TOURを放送しているNHK、ゴルフネットワークは重要なパートナーであると発言していた。また、SONY、HONDA、BRIDGESTONEなどの日本企業がPGA TOURを支えている大きな協賛企業であると感謝していた。

具体的に提携として「現在、秋に韓国、中国、マレーシアでPGA TOURが開催されているが、日本での開催も視野に入れて、JGTOを含め、スポンサー企業などを探して調整していきたい」と今後のスケジュールの詳細は語らなかったが、日本での開催も前向きに検討していることを明かした。

日本でも世界のトップクラスの戦いであるPGA TOURがみられる日が近いことを予感させる。日本での開催となれば、ゴルフファンの増加や日本ツアーの選手にも刺激になることは間違いない。

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