春の京都観光、TVCMが混雑緩和に力を発揮か 混雑敬遠の動きの中「穴場」紹介で分散狙う

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

京都市の観光担当者によると、同年も外国人客や国内外からの宿泊者数は伸びているため、日帰りで訪れる日本人客が減少したとみられ、「京都はいつも混雑しているというイメージを持たれていることから、特に関西圏からの観光客が減った」(同市産業観光局)という。混雑を理由に敬遠する動きが出てきているのだ。

観光客の増加による混雑が特に深刻化しているのが路線バスだ。2016年の「京都総合観光調査」(京都市)によると、日本人観光客の「残念度」で最も高かったのは「人が多い・混雑」で15%、次いで「電車、バスなどの公共交通機関」で12.3%。後者の回答例には「バスの乗降がスムーズでないため、時間がかかった」との意見もあり、交通機関の混雑や遅れを「残念」と感じている人が少なくないことがうかがえる。観光客だけでなく、日常の足として利用する市民への影響も大きい。

バスの混雑・遅延は改善できる?

市バスや地下鉄を運行する京都市交通局も混雑や遅延緩和策に乗り出しており、2018年度予算でも重点の1つに「混雑対策」を掲げている。その1つがバスの乗り方の変更だ。現在は後ろのドアから乗り、降車時に運賃を支払って前のドアから降りるという「後乗り前降り」だが、乗降時間の短縮につながる「前乗り後降り」の導入を進める。

交通局は昨年10月と12月の計5日間、清水寺や平安神宮、銀閣寺などの観光地を巡る「100号系統」で前乗り後降りの実証実験を実施。その結果、1人当たりの平均乗降時間は後乗り前降りと比べて0.2秒、停留所での停車時間は11.5秒減少したという。「前乗りだと乗車時に運賃を支払うので、降りるときがスムーズになり時間の短縮につながる」と交通局自動車部運輸課の担当者は説明する。

前乗り後降りへの変更は、まずは2018年度中に100号系統で実施する計画。だが、「準備が必要になるので、来年度前半は難しい」(交通局自動車部運輸課)といい、効果が出るのはしばらく先になりそうだ。

次ページ「もっと地下鉄を利用して」
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事