阪神タイガースのエース候補が迎える正念場 秋山拓巳「今年ダメならという危機感がある」

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秋山は、140キロ台のストレートとスライダー、フォークをコントロールよく投げ分ける。2017年に与えた四死球はわずか16個。これは、両リーグ最少だった。ストレートに磨きをかけながら、さらにコントロールの精度を上げていくつもりだ。

「今年ダメなら…という危機感がある」

「これまでの8年間、ローテーションに入ることを目指してキャンプからアピールするということをやってきました。今年もポジションが確約されているわけではないので、のんびりするわけにはいかない。これまでどおり、同じ気持ちでキャンプに臨みました。

僕はタイガースに入団してから、一度も優勝をしたことがありません。昨年のクライマックスシリーズで悔しい思いもしました。日本一を目指して、日本シリーズのある11月まで野球をしていたいですね。

8年目でやっと数字を残せましたけど、若手がどんどん伸びてきているので、今年ダメなら……という危機感はあります。これまで結果が出なくてもユニフォームを着させてもらえましたから、これからチームに恩返しをしないと。少し成績を残したくらいで浮かれているわけにはいきません。また今年、結果を出せるようにしないといけない。どうやって結果を出すかをずっと考えています」

3年続けて活躍して初めて一流選手と認められるのがプロ野球の世界だ。やっと覚醒したタイガースのエース候補にとって、2018年が勝負の年になることは間違いない。秋山が抱く危機感がチームにも本人にもきっとプラスに働くはずだ。

(文中敬称略)

元永 知宏 スポーツライター

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もとなが ともひろ / Tomohiro Motonaga

1968年、愛媛県生まれ。立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。大学卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。直近の著書は『荒木大輔のいた1980年の甲子園』(集英社)、同8月に『補欠の力 広陵OBはなぜ卒業後に成長するのか?』(ぴあ)。19年11月に『近鉄魂とはなんだったのか? 最後の選手会長・礒部公一と探る』(集英社)。2018年から愛媛新聞社が発行する愛媛のスポーツマガジン『E-dge』(エッジ)の創刊編集長。

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