日立・松下・東芝 液晶合弁増資の勝算
大手電機3社合弁の液晶パネルメーカー、IPSアルファテクノロジが300億円の増資を実施。生産能力を2倍にしシャープを追撃、黒字化を図るがはたしてその成否は…。(『週刊東洋経済』7月28日号より)
液晶テレビ市場で消耗戦ともいえるような激しい価格戦争が繰り広げられる中、IPSアルファテクノロジ(IPSα)が、パネル供給体制を大幅に増強して新たな勝負に打って出ようとしている。
同社は日立製作所子会社の日立ディスプレイズ(DP)、松下電器産業、東芝の3社が出資する合弁会社だ。横電界を意味するイン・プレイン・スイッチング(=IPS)方式と呼ばれる液晶パネルを製造する。同方式のパネルは他社製品よりも広い視野角や高いコンストラスト比が得られるとされ、同社では26、32、37インチの3サイズのパネルをテレビ向けに供給している。
増産計画では現在年産250万台の能力を、今年10月までに2倍の年産500万台に引き上げる。これは液晶テレビで国内シェア首位を走るシャープの亀山第一工場(30インチ台専用工場)の生産能力に迫る規模だ。パネルの大増産に対応し、7月2日には300億円の第三者割当増資も実施した。日立DPと松下が150億円ずつを引き受け、資本金は1000億円まで厚みを増す。
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