人望のない人はだいたい「世代の違い」を語る 自分の常識を押し付けると空気はよどむ

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もう1つは、それぞれコミュニケーションの形は違っても、個々のメンバーとコミュニケーションをとる時間数を、しっかり管理することでした。自分から積極的に働きかけてくるメンバーとそうでないメンバーでは、無意識のうちにコミュニケーションの量に差がついてしまいます。さまざまな形でコミュニケーションをする分だけ、ひいきや不公平などと言われないようにするため、この点に特に気をつけました。

この取り組みで明らかに変わったのは、メンバーからの相談回数が増えたことでした。個々のメンバーにとって「話しやすい」という環境を作り出したことと、リーダーの「聞こうとする姿勢」で心理的なハードルが下がり、何でも話し合う雰囲気ができ始めました。メンバーとのコミュニケーションを深めるという当初の目的は達成しつつあります。

「世代の価値観」の押しつけによる失敗や不都合

もう1つは、ある工作機械メーカーでの話ですが、特にアジア圏での売り上げが低下しており、その理由を調べると、機械操作がタッチパネル式になっている他社製品への乗り換えが原因だと判明しました。アジア圏は若い労働者が多く、スマートフォンのようなタッチパネルでの操作に慣れた世代ということで、この対応を見誤っていたということでした。しかし、ここで問題となったのは、社内ではすでに同様の製品導入が提案されていたにもかかわらず、それがいつの間にか立ち消えになっていたことでした。提案を組織階層ごとに持ち上げながら判断する中で、各階層のリーダーたちが「まだ不要」「時期尚早」などとしていて、そこで埋もれてしまっていたのです。

キーボード式など従来の操作方法に疑問を持たない世代のリーダーたちが、自分たちの価値観によって判断したことが、時代遅れの結果に導いてしまっていました。「経験があること」では必ずしも正解にたどり着けないという一例です。

また、これは私がここ最近の新入社員研修を見ている中でのことですが、多くの新人が苦戦するテーマに「電話応対」があります。生まれたときから携帯電話が一人一台の環境で育ってきた世代では、「他人にかかってきた電話を取り次ぐ」という経験自体を一度もしたことのない人がたくさんいます。これを「基本的なことができない」「常識がない」と一方的な価値観で責めていては、相手は納得できませんし、それがよい結果につながることはありません。

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