39億杯売れた「セブンカフェ」を刷新するワケ 豆の使用量を1割増やし、「抽出方法」も変更
「セブンカフェはコーヒー市場全体を膨らませた。日本一売れているコーヒーを変える」。セブン‐イレブン・ジャパンの商品本部でファストフードや総菜などを統括する高橋広隆マネジャーは自信たっぷりにこう語った。
セブンは3月上旬からセルフ式のドリップコーヒー「セブンカフェ」を大幅刷新する。刷新の対象となるのはホットコーヒーとアイスコーヒー。レギュラーサイズで100円(税込み)と、これまでの価格を据え置いた。
1日1店舗で平均130杯を売り上げる
リニューアルのコンセプトは「香りとコクのアップ」。改良点は主に3つ。1点目は豆の使用量を1割増量したこと。2点目は、焙煎の方法を2種類から3種類に変更したことだ。豆の特徴に合わせ焙煎することで、より香りが広がり、コクもアップする。3点目は抽出方法だ。専門店の淹れ方を再現するため、マシンの総抽出時間45秒(ホットコーヒーRサイズの場合)は変えずに、蒸らす工程の時間を延長した。
現行商品が万人に愛され、繰り返し飲めることを追求した方向性だとすれば、刷新後の商品は豆の香りや苦み、コクを強調したような印象だ。
セブンカフェの展開が始まったのは2013年1月のこと。2014年、2016年には豆の磨き方を変え、すっきり飲めるようマイナーチェンジを実施。2015年6月にはアイスカフェラテを、2017年2月にはホットカフェラテをセブンカフェのラインナップに追加した。
こうした取り組みの結果、足元では1日1店舗で平均130杯を売り上げる。今2018年2月期は1年間で10億杯超を販売する見込みで、5年前の発売以来、今月末までの累計販売数は39億杯を突破する見通しだ。来2019年2月期は刷新効果も加わり、年間11億杯の販売を目指す。
過去のマイナーチェンジと違って、今回は初めての大幅刷新となる。セブンカフェの投入時は比較的浅いりのコーヒーが好まれた。しかし、ここにきて深煎りコーヒーにトレンドがシフトしてきているという。高橋マネジャーは「コーヒーに対する客のニーズは変わりつつある。深煎りで客の嗜好にあったポジションの商品にした」と刷新した理由を話す。
それだけではない。セブンにとってコーヒーは、たばこを除き最もリピート率の高い基幹商品。それだけに、今回の大幅刷新で来店機会・客数の増加につなげたい狙いも見える。
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