中国富裕層に「美容体験ツアー」が人気なワケ 2018年春節はモノよりコト消費に注目

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美容サロンでは顧客とのコミュニケーションも重要な要素だ(写真:オーエス)

オーエスは、もともと美容院のホームページを制作していたのだが、2012年から国内で美容サロンの予約検索ポータルサイト「ビューティパーク」を運営している。同サイトは全国のヘアサロン、ネイルサロン、エステサロンなど9万8000店舗を網羅する。

中国の旅行会社と提携しツアー客を取り込み

美容サロンのポータルサイトでは「ホットペッパービューティー」(リクルートライフスタイル)が有名だが、こちらは広告料収入をビジネスモデルとしている。一方、「ビューティパーク」は美容サロンにお客を紹介する成果報酬方式(一律1000円)を基本とする。サイトからの送客を増やす必要があり、美容院とのより深い連携が必要になる。

「日本の美容サロン業界は、店舗過剰で過当競争。働いている人は、長時間労働で賃金は安い。国内のパイを取り合うのではなく、訪日客をお客様にしてパイを大きくする。日本の美容業界を変えたいという思いを持っている」(織田代表)

オーエスは中国の旅行会社・上海春秋国際旅行と提携し、中国人美容体験ツアー客の取り込みを本格化させる。それに合わせ、「ビューティパークチャイナ」の提携加盟店は2018年3月末に30店舗へ拡大する見込み。2019年3月までには、東京20、大阪15、福岡5、名古屋5、北海道5の全国50店舗体制を構築する計画だ。

小倉 正男 ジャーナリスト

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早稲田大学法学部卒。1971~2005年、東洋経済新報社で記者・編集者、企業情報部長、金融証券部長、編集局次長、名古屋支社長・中部経済倶楽部専務理事などを歴任。著書に『M&A資本主義』『トヨタとイトーヨーカ堂』(共に東洋経済新報社刊)、『日本の「時短」革命』『倒れない経営―クライシス・マネジメントとは何か』『「第四次産業」の衝撃』(いずれもPHP研究所刊)など。2012年から「小倉正男の経済コラム」をウェブで連載中。

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