こんな日本でよかったね 内田樹著

こんな日本でよかったね 内田樹著

構造主義的に今の日本を見たらどうなるか、というエッセイ集。今回も縦横無尽、当たるを幸い世間の常識を切りまくりファンを喜ばせている(らしい)。構造主義の立場からいえば、世界はいかなる賢者であろうとも自分が思うようなものであるはずがなく、歴史を見る目だとか論理や言葉の使い方が世間一般並みの軽さでよいわけもない。

世相そして現代社会の病根を、抽象と具体をない交ぜにしつつ、時に軽妙、時に難渋に描写しえぐってみせる筆さばきはなかなかに魅力的。議論の対象は格差社会、少子化、愛国心、人々の不快感、言論の自由から日本辺境論まで多彩でどれも興味深い。 

「人は『愛国心』という言葉を口にした瞬間に、自分と『愛国』の定義を異にする同国人に対する激しい憎しみにとらえられる」。まさにそうだ。一見、暴論のような主張から、自分の立ち位置を教えられ、目からうろこの一角が落ちることがあるかもしれない。 (純)

バジリコ 1680円

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • 買わない生活
  • インフレが日本を救う
トレンドライブラリーAD
人気の動画
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
飲食業界、失敗する店と成功する店の決定的な差
飲食業界、失敗する店と成功する店の決定的な差
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT