北朝鮮で南北合宿をやると経済制裁に抵触? 「現金供与」につながるリスクがある

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2013年に正恩氏がオープンした馬息嶺スキー場は、ホテルや水族館、ゴルフ場など高級リゾート開発が進行する元山の近郊にある。元山や葛麻空港は、近年大規模な火器演習やミサイル発射実験が数十件行われる、国防上重要な地域にある。

市場経済化が進み、資産を蓄えた北朝鮮国民が増えるなか、馬息嶺スキー場は、海外からの旅行客だけでなく、こうした自国の富裕層からも外貨を巻き上げる狙いがある。

正恩氏は建設現場を何度も視察し、建設を急ぐよう指示しており、「馬息嶺速度」という、新たなスローガンができたほどだった。

国営メディアはこのリゾート施設について、「国民を愛する指導者からの、生活水準向上のための贈り物」だと激賞した。

一方、韓国政府の元高官らは、スイスで教育を受けた独裁的指導者が、市民の窮乏を尻目に自らの豪華な生活スタイルを満たすため、数少ない国の資源を流用した象徴的な例だと、同リゾートを批判している。

国営の朝鮮中央通信(KCNA)は21日、北朝鮮が示す平昌五輪に向けた緊張緩和姿勢の動機を疑う韓国政治家やメディアを批判した。

「五輪の成功に向け、南北関係を改善しようという(北朝鮮の)誠意や真意に、疑う余地は全くない」とKCNAは述べた。

高価すぎる休暇

元山出身の脱北者Kang Eung Chan氏は2013年、このスキーリゾートで3日間の旅行に出かけたという。滞在費用は、食事とスキーのレンタル代を含め1日100ドル前後で、大半の北朝鮮人はもちろん、当時、中国顧客向けに半官半民の縫製工場を経営する裕福なビジネスマンだったKang氏にとってすら、高価すぎる休暇だった。

「全部米ドルで支払った。北朝鮮の水準からみれば、安くはない」と、Kang氏はロイターの取材に語った。

北朝鮮は公式なデータを公表していないが、専門家は、同国の平均賃金は月30─40ドルだとみている。

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