プライベートも同じです。女性が仕事の愚痴をこぼしているときに、「おまえ、そりゃ違うだろ!」「こうしなくちゃだろ!」と、すぐさま相手の言うことを否定するのは禁物です。こうしたとき、たいてい相手は愚痴を聞いてほしいだけで、仕事のアドバイスを求めてはいないからです。
まずは相手の意見を受け止める。アドバイスしたほうがいいと思ったら、相手が話を終えて落ついた後にやんわりすれば十分です。まずは、「確かにそうだね」とか「つらいね……」と言いながら、大きくうなずく。この受け止める力が包容力です。
包容力がない人は、なにかとすぐ物事に白黒をつけがち。しかも、自分の経験や価値観の範囲で論評しがち。一方、包容力がある人は相手のことを欠点も含めて丸ごと受け入れることができます。この包容力の差が、年長者としての美徳を発揮できるかどうか、(直截的にいうと)オジサンがモテるかどうかを左右すると言っても、決して過言ではありません。
私が美女から人気のワケ
包容力を養うのは先に述べたとおり「さまざまな経験の積み重ね」です。にもかかわらず、昨今は、失敗することを恐れて無難に生きようという風潮があります。特に若い男子にこの傾向が強いのは、由々しき問題だと思います。卑近な例で説明しましょう。
数年前、美男美女限定の「ビューティフルピープル」というSNSがありました。なぜ「美男美女」限定かというと、入会にあたって写真審査があり、外見があるレベル以上の男女しか入れないシステムになっていたからです。
このSNSにツテを頼って潜り込むことができた私は、そこで何人もの美女と知り合えました。そして取材も兼ねて「このサイトでほかの人と会った?」と聞くと、大半の女性が「いやー、青木さんだけよ」と答えるのです。初めの頃は、内心「そんなことないだろう」と思っていましたが、その理由を聞くとなるほど納得なのです。
その理由というのは、「だって、メールくれたの青木さんだけだもん」というもの。
話を聞くと、多くの男性は、女性の写真に「キレイですね」と簡単なコメントをするだけとか、ウィンクシステムといって気に入った相手に好意を示すボタンを押すだけなど、スタンスが実に消極的なのです。断られて傷つくことを恐れるせいでしょうか。しかし、これでは女性との関係は進展していきません。
このサイトに集まる男性は、当然、イケメンだらけ。年齢も20代後半から30代前半が多く、肉体的にも社会的にもオトコとしても脂がのっている頃です。まともに勝負したら私が惨敗することは必至な情勢。なにせ、当時、私は40代半ば、若年性の更年期障害まであるオッサンだったからです。
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