中国の投資拡大で急変するカンボジアの実情 シアヌークビルで起きていること

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同地に建設中の「ブルーベイ・リゾート」の模型。11月撮影(2017年 ロイター/Matthew Tostevin)

同氏が案内するショールームでは、マンション購入を検討する中国人グループが完成予想模型をうっとりと眺めている。少なくとも700戸ある物件のうち約20%が売約済みだと彼は言う。価格は約12万5000ドルから50万ドルだ。

「文句を言う人も多いが、中国マネーの流入で利益を得ている人もやはり多い」と語るのは、William Vanさん(60)だ。彼が所有する集合住宅は、ほとんどが中国人労働者で埋まっており、投資による利益も膨れあがっているという。

中国人投資家にとって明らかな魅力となっているのは、カンボジアと中国の密接な関係だとデベロッパーは指摘する。フン・セン首相が繰り返し北京を訪問しており、中国の習近平国家主席もカンボジアを昨年末訪問したことで、両国の関係は一層強化されている。

最近北京を再訪したフン・セン首相は、中国企業から、幹線道路、プノンペン郊外の衛星都市、そして教育やエンターテイメント、銀行分野のプロジェクトなど、総額70億ドルに上る投資の申し出を受けた。

このうち新規、もしくは確定的な投資がどれほどあるかは明らかにではないが、投資トレンドが加速している様子が浮き彫りになった。

習主席とフン・セン首相の写真

中国のカンボジア進出に伴って、ビジネスが進展している。

「それは継続しており、爆発的に拡大しているとさえ言えるかもしれない」と米国で活動する研究者で、中国の海外進出に関する共著があるソーパール・イアー氏は語る。「どの国もやっていないような規模に達している、という話だ。彼らの活動の規模や大きさで、他の投資家を締め出している」

プノンペンでマンションを売り出し、シアヌークビルでも10億ドル規模のプロジェクト2件に着手しているプリンス・リアルエステート・グループが配布する豪勢なパンフレットで目を引くのは、習主席とフン・セン首相の写真だ。

マーケティング担当ディレクターHu Tian Lu氏は、インフラ整備を軸とする中国の開発・外交イニシアチブに触れ、「ここは、一帯一路構想における重要なロケーションだ」と語る。

シアヌークビルの港から車で少し行ったところに、拡張を続ける経済特区がある。ここで活動する110社のうち9割が中国企業で、輸出入関税は免除され、法人税も一定期間は非課税となっている。

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