中国の投資拡大で急変するカンボジアの実情

シアヌークビルで起きていること

だが、これまでにも少しずつこの街のカジノに流れ込んでいた中国マネーは今や大きな潮流となり、中国が掲げる「一帯一路」の最初の港湾としてデベロッパーが宣伝する都市への変貌が確実視されている。

同地で中国料理屋を営む通称Lao Qiさん。11月撮影(2017年 ロイター/Matthew Tostevin)

「ここは20年前の中国のようだ。チャンスは大きい」。中国浙江省からカジノで働くためにこの地を訪れたLao Qiさん(33)はそう語る。彼の店で提供されるヌードルとチャーハンは、いまや1日数百ドルもの収入をもたらしている。

通りの向こうで59歳のBun Saroeunさんが経営する「エクスタティック・ピザ」では、1日100ドルも稼げればラッキーな方だ。ホテル価格の上昇と建設ラッシュによる騒音のせいで、西側諸国とカンボジア国内の観光客はこの街を敬遠している、と彼は言う。

「中国人も多少は来るが、今では彼らのための(中華料理)レストランがあるから」と語るBun Saroeunさん。店はビーチに近い一等地にあり、土地のオーナーは再開発のため、彼に立ち退きを迫っている。

中国人の流入は非常に意図的なものだ。

市政を担当するのは、フン・セン首相の盟友Yun Min市長だ。かつて地方軍司令官だった同市長は自ら何度も中国に足を運び、投資家を勧誘し、彼らに対する投資保護措置を提示している。

「中国人投資家にはもっと来てほしい」と市長はロイターに語った。彼の試算では、すでに市内の不動産の半分は中国人に賃貸されているという。「彼らは市に利益をもたらしている」

「ここは第2のマカオになる」

市の人口25万人のうち、中国人の住民数は数千人とも数万人とも見積もられているが、公式の数値は発表されていない。

シアヌークビル一帯では、標準中国語(北京官話)の表示が増えつつある。スーパーマーケットが中国製品であふれているのは日常的な風景だ。国内製品といえばビールや飲料水程度になりがちだ。

だが、現時点でのシアヌークビルに対する中国人流入は、今後予想される規模とは比較にならない。かつては落ち着いたインディペンデンス・ビーチ近くでは、コンクリートの高層ビルが数カ月で続々と建ち並び、カジノやホテル、数千戸のマンションの誕生が予定されている。

「ここは第2のマカオになる」。総工費2億ドルの38階建てリゾートマンション「ブルーレイ・リゾート」開発を手掛けるゼネラルマネジャーChen Hu氏(48)は、シアヌークビルを世界最大のギャンブル中心地マカオになぞらえる。

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