オラクル、業界最大イベントで動員記録更新 「オープンワールド2013」現地リポート(1)
22日、17時からの最初の基調講演(キーノート)では、ラリー・エリソンが登場するとあって、会場となったホールDの前には開場を待つ長蛇の列ができた。サンフランシスコのエド・リー市長が登壇し、「ハワードストリートを閉鎖してかまわない」と協力姿勢を強調した。続いて、提携関係にある富士通の豊木則行常務が登壇。富士通とオラクルとの提携の成果でもある新UNIXサーバ「Fujitsu M10」の優位性を説明した。
そして18時、満を持して登場したのが、オラクルのラリー・エリソンCEO。「今日のレースはご覧になりました?」とアメリカズカップで2つのレースに勝ったことを喜び、そのチームの健闘をたたえた。
エリソンCEOが発表した新製品の中身は
エリソンCEOがこの日、最も力を入れて発表したのが、同社の中核製品である「オラクルデータベース」の最新バージョンである12cのインメモリオプション。その強みは「インメモリに入れるとクエリが100倍速くなる」(エリソンCEO)点にあるという。ロー(行)型ではなくカラム(列)型の設計にしたことで、データの追加が容易になっている。決算、コスト管理、予測、計画などは、実行までに何時間あるいは何日間もかかることが普通だが、インメモリオプションでは成長機会を素早く見つけ出し、より賢い判断を下し、企業コストを削減できるのが特長だ。ユーザー数の多いオラクルデータベースだけに、既存ユーザーが簡単な機能追加でその優位性を得られるように工夫されているという。
もう一つが、最高速度と拡張性を備えたM6という製品群の発表だ。いずれも容量は32TB。新しいサーバーが「SPARC M6-32」、そしてエンジニアドシステムの「オラクルスーパークラスターM6-32」だ。競合するIBMのパワー795が960万ドルであるのに対し、M6-32のビッグデータマシンは300万ドルで、しかもメモリ容量はオラクルが倍であると優位性をアピールした。
この日最後の発表となったのが、「オラクルデータベース・バックアップ・ロギング・リカバリー・アプライアンス」。市場に出回っているのは、データベース用ではないため不自由な部分が多かったという。キーワードはロギングとリカバリー。これは、年度内にも発売される見通しだが、驚くほど長い製品名。「この名前を考えた天才は誰でしょう?」とエリソンCEOは場内に質問を投げかけ、「私です。だから高給が取れるんです」と冗談のように語った。
22日はこのほかにも、オラクルのパートナー企業を集めたセッションでマーク・ハード社長がパートナーの個別質問に一つ一つ答えるコーナーや、成果を挙げてパートナーの事例を紹介する時間をたっぷり設けるなど、各種のプログラムがみっちりと各所で展開されていた。
現地レポート(2)に続く
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