居酒屋を襲う「ビール値上げ」のダブルパンチ プレモルは価格据え置きで居酒屋にも明暗

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値上げを機にシェアが拡大したことも

ただ一方では「社内ではビール類市場でのシェアを現在の約16%から10%以上上げるよう号令がかかっている。これまでも値上げのときがシェアをアップするチャンスだった。今回も間違いなく狙っているはず」(サントリーのOB)と指摘する向きもある。

実際、2008年の値上げ時、ほか3社が軒並みシェアを落としたのに対しサントリーのみが前年比1.4%増とシェアを広げたという経緯がある。缶ビールなどの値上げを他社より半年遅らせたことが大きな要因になった。

2017年上半期のビール類市場でのシェアはアサヒの39.5%、キリンの31.7%に次いで、サントリーは15.9%にとどまる。さらにシェアを伸ばそうと思えば、プレモルより低価格な他社の主力ビールと競合することになる。価格面では不利な分、「他社の値上げで少しでも(価格差を)圧縮してシェアを取りたいという意識が強い」(前出のサントリーOB)。

人件費の高騰など逆風が続く居酒屋業界。ビールメーカーのシェア争いにも巻き込まれ、苦悩は続きそうだ。

石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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