民進党、年の瀬に「解党的出直し」の断末魔

3択示すも低支持率・離党ドミノで空中分解?

そこで問題となるのが民進系3野党の主導権争いだ。もともと「自民打倒のための野党結集の軸は民進党」(小沢一郎自由党代表)だったが、現状ではどの党が「野党第1党」なのかが明確ではない。衆院は立民がわずかの差で第1党だが、参院は民進党が圧倒的第1党だ。しかも、国会運営上は「会派」が基準となるため、衆院で希望の党が民進党系議員が結成した無所属の会と統一会派を結成すれば、立民は第1党の座から追い落とされる。

民進党の一連の協議で大塚代表が「立民、希望両党への統一会派呼びかけ」を提案したのも、年明けの通常国会で希望の党との統一会派実現を狙ったともみえる。小池氏から党運営を委ねられた玉木雄一郎・希望の党代表も「(統一会派の提案は)真剣に考えなければならない」と前向きの姿勢を示した。「合流には党内の抵抗が強いが、統一会派なら実現可能」(希望幹部)という対応には、統一会派も含めた連携にも否定的な立民への対抗意識がにじむ。

一方、立民も水面下での勢力拡大を模索している。政党支持率では民進系3党の断然トップを維持するだけに、希望、民進両党に所属する「リベラル組」をターゲットに入党勧誘作戦を展開している。11日には民進党の有田芳生参院議員が大塚代表宛ての離党届けを提出した。ジャーナリスト出身で知名度も高い有田氏は「立憲民主党が最も自分の考え方に近い」として年内にも立民に入党届を出す考えだ。これに先立ち参議院の民進党会派所属の川田龍平氏も立民に入党届を提出した。

「複雑骨折は間違って治すと余計悪くなる」

さらに、参院民進党のリーダー格の小川敏夫参院議員会長も立憲民主党への合流を視野に民進党の「分党」を画策しているとされ、「数合わせには参加しない」と繰り返す枝野・立民代表もこうした動きに絡んでいるとの見方が広がる。ただ、特別国会の与野党攻防で、衆院側の野党代表として自民党と渡り合った辻元清美・立民国対委員長は、13日の講演で民進党分裂以後の野党の現状を「複雑骨折で、間違って治すと余計悪くなってしまう」と勢力争いのための離合集散の動きをけん制した。

立民を「排除」した形での希望・民進連携の動きについてほかの野党は「落ち目の三度笠同士の傷のなめ合い」(社民党幹部)と揶揄する。とくに民進党が野党再結集の軸となることについては「解体したはずの党が再結集を呼び掛けても国民の支持が得られるわけがない」(同)と冷笑する。ただ、野党第1党に必要な「資金・事務局・地方組織」の3点セットを保持するのは民進党だ。玉木・希望代表は「代表就任以来、資金集めや事務局づくりなどが最大の仕事で、政治理念や政策づくりにはまったく手が回らない」ことを認める。枝野・立民代表も同様で、大好きなカラオケも「雑用が多すぎて行く暇がない」と嘆息しきりだ。

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