民進党、年の瀬に「解党的出直し」の断末魔 3択示すも低支持率・離党ドミノで空中分解?
これに対し岡田克也、蓮舫両元代表らが党存続を強く主張する一方、若手からは「このままではジリ貧になるだけ」と新党結成論も出て、予想通り議論は紛糾している。「党内バラバラ」と揶揄された民主党時代からの宿痾も際立ち、決着時期を「できれば年内」として協議を続行する構えだ。
ただ、年明け以降の党運営に大きな影響を与える「政党交付金を決める所属議員数登録」の基準日は1月1日で、党内には年内の立憲民主党入りを視野に「政党交付金分割のための分党」を模索する動きもあり、執行部が調整に失敗すれば「年内再分裂」の危機も現実となりかねない。
10月の衆院選を、「小池新党」とも呼ばれた希望の党、小池氏に「排除」されたメンバーによる立憲民主党、どちらにもくみしない民進党籍を持つ無所属、という「3分裂」で戦った民進系の当選議員は、立民54人、希望51人、無所属14人の合計119人で選挙前の勢力を上回った。
公明、共産、維新がそろって議席を減らしたことも考えれば、「民進系議員への国民の期待はなお大きい」(民進幹部)ともみえる。だからこそ、選挙直後から再結集論が浮上したわけで、2019年春の統一地方選、同夏の参院選で自民・公明の巨大与党に対抗するためには「大きな塊をつくるしかない」(大塚氏)のは自明の理でもある。
「統一会派」で立民追い落としの狙いも
しかし、「3分裂に至る経緯を振り返れば、再結集はそれぞれの党の自殺行為」(立民幹部)ともなりかねない。「理念や政策を棚上げした『数の論理』による野党結集に有権者が不満を示した選挙結果」(同)との分析もあるからだ。希望の党を立ち上げた小池氏や前原誠司前民進党代表の「政権交代を目指すもう一つの保守党を」という考え方からすれば「共産党とも連携するリベラル勢力」の排除は当然で、多くの有識者も「政治理念や政策の一致を目指しての希望の党結党は間違いではなかった」と指摘する。ただ、結果的に野党乱立・多極化を招いて、自民党圧勝に貢献したことが批判と不満の対象となっているわけだ。
今後の政治日程からみて、次の国政選挙は2019年7月に予定される参院選だが、有権者が政権を選択する衆院選は3年後の2020年秋とみられている。それまでに現状の野党乱立が解消されなければ、「余程のことがない限り、自民党政権は安泰」(選挙アナリスト)というのが大方の見方だ。政権交代を目指すなら、野党は「統一候補」で戦うしか選択肢はなくなる。
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