ビットコイン、急騰の主役は日本の投資家だ 円がドルを抜きトップシェアに

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対円取引のすべてが日本人投資家によるものではなく、ヘッジファンドが各通貨建てのビットコイン取引の価格差を利用した売買を行っているとの観測もある。とはいえ、ビットコインの取引全体の30─50%程度が日本人投資家によるものとの見方もあり、海外投資家が席巻する日本株市場と様相が大きく異なるのは確かなようだ。

相場乱高下に「涙」も

しかし、相場の乱高下も激しくなっている。ルクセンブルクに本拠を置くビットスタンプ取引所でのビットコイン価格<BTC=BTSP>は、12月8日に約10時間で19%急落した。11月29日の乱高下の局面では、日本の動画投稿サイトでロスカットに迫られた個人投資家が涙声でビットコイン取引する様子を公開した動画が話題となった。

国内ではGMOインターネット<9449.T>傘下のGMOコイン(東京都渋谷区)など一部の取引所で、証拠金の25倍の取引をすることができる。個別株の信用取引は約3倍、為替のFXは金融庁が25倍から10倍への引き下げを検討しているもようだ。レバレッジを掛ければ儲けは大きくなるが、相場が下落すれば追加の証拠金も大きくなる。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)は日本時間11日に、ビットコインの先物取引を開始した。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)も月内にビットコインの先物を上場する予定だ。先物取引の開始で、ヘッジファンドなどは空売りの手段を得ることになる。

金融庁の関係者は「急激に上昇したかと思えば急落があったり、値動きが激しく価格を注視している。仮想通貨取引所には顧客に対してビットコインの値動きが荒く、思わぬ損失を被るリスクがあることなど情報提供を徹底するよう求めている」と話す。

チャート的には、1970年代後半の金価格の急上昇に似てきた(図参照)。欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は9月、「ビットコインはチューリップのようなものだ」と言及。17世紀にオランダで発生したチューリップ球根バブルを引き合いに出している。

ビットコインの「適正価格」は、まだ誰にもわからない。今の相場がバブルかどうかは後になってみないと確かめられないだろう。ただ、これほど短期間で急騰した例も歴史的に珍しい。将来性はさておき、個人を含め市場参加者は、急落リスクと日々向き合うことになりそうだ。

(長田善行 佐野日出之 取材協力:和田崇彦 編集:伊賀大記)

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