ドバイで逮捕された外国人のありえない「罪」 異性とホテルの部屋を共有するのもアウト
リーズ・ユナイテッド・フットボール・クラブの元マネジング・ディレクターで、スターリングの弁護士事務所のパートナーでもあるヘーグは、22カ月間拘禁され、繰り返し拷問を受けたと話す。拷問は自白書に署名させるためのものだったが、彼が自白することを期待されていた起訴内容に関しては、書類を一度も見たことがなかったという。
ヘーグは、リーズ・ユナイテッドに出資していたドバイの銀行、GFHキャピタルとの間で事業上のトラブルを抱えていた。ヘーグによると、食い違いを解消するためにドバイに来るよう仕向けられたが、到着すると背任容疑で捕らえられ、数カ月間は弁護士に会うことも認められなかったという。
刑務所にいる間に、ヘーグは攻撃的なメッセージをツイッターで投稿した罪で告発された。しかし、そもそも刑務所内では電話も持っておらず、インターネットにもアクセスできなかったという。その後、ツイッターの容疑に関しては無罪となったが、その時点ですでにもともとの15カ月の懲役に加えて、7カ月を刑務所で過ごしていた。
「90%の人が90%の時間、法を破っているが、誰も捕まったりはしない。ただ、間違った人を怒らせてしまうと逮捕される」。ヘーグはドバイでそう語った。
近年、UAEはソーシャルメディアの取り締まりを強化しており、UAEやその市民や企業を、フェイスブックやツイッターで批判することを犯罪としている。
クレジットカードの支払いにも注意
このほか、勾留の可能性があるが、外国人そうとは考えないような行動としては、不渡り小切手を出す、クレジットカードの支払いを期限までに行わない、許可を得ずに誰かの写真を撮る、誰かの体に触れるなどがある。
ハロンが告発されたのも、まさにこの罪だった。彼は公の場で、ある男性の体をなれなれしく触ったとされている。公の場とは、ゲイの男性がよく訪れるロック・ボトム・カフェだ。ハロンによると、彼はただ人込みをかき分けていて、持っていた飲み物をこぼさないように、その人の腰に触れたのだという。
彼は3カ月の懲役刑を言い渡されたが、ドバイ首長国のムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム首長が裁判所の判決を無効にすると、UAEからの出国を許された。こうしたケースでは、法律的には望みがないように思えても、広く注目を集めると解決に至ることがある。
スターリングは言う。「UAEは巨大な宣伝機関のようなものだ。その裁判が国によくない影響をもたらすと考えたら、政府は警察に言って告訴を取り下げさせるのだ」。
(執筆:Rod Nordland記者)
© 2017 New York Times News Service
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