「脱北兵士はナイスガイ」執刀医が語る人物像 大腸は銃弾でずたずたになり7カ所縫合

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病室に韓国のポップ音楽をかけ、米国の映画やテレビ番組を見せているが、ニュースには一切触れさせていないという。

鑑賞したなかでは、米仏合作のアクション映画「トランスポーター3」や、米コメディー映画の「ブルース・オールマイティ」、米ドラマの「CSI:科学捜査班」が気に入った様子だったと、Lee医師は言う。

ほとんどの脱北者は、韓国に到着すると、情報当局の事情聴取を受けた後、韓国での生活に適応するための教育施設で3カ月を過ごす。その後、政府や地方自治体から現金700万ウォン(約70万円)を1年間支給され、住宅や教育支援のほか、職業訓練を受ける。

脱北者の安全を守るため、1人1人に担当の警察官がつく。

完全に回復しても、オー兵士には一生傷痕が残ると、Lee医師は言う。

なかでも、銃弾でずたずたになり7カ所も縫合が必要だった大腸の傷は、長く残るという。「患者には生涯にわたる健康問題になる。食べる物に細心の注意が必要だ」

今後発症する可能性のある合併症のほか、Lee医師はオー兵士の心理的な回復も心配している。すでに、北朝鮮に送還される悪夢を見たと、オー兵士は話したという。

「急ぐ必要はない」

Lee医師は、早く事情聴取を行いたい考えの韓国軍幹部に対し、オー兵士の回復を待つよう頼んだという。

「この北朝鮮の若者はどこへも行かない。韓国にとどまるのだから、急ぐ必要はない」

(Josh Smith Heekyong Yang 翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)

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